第16話「あの艦は…!?」
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「ハイ、ソウデス」
「それでどうした?何かあったか?」
「シグナルヲ発信シテイルト思ワレル場所ヲ確認シマシタ」
そう言ったBXコマンド・バトルドロイドは後ろに振り向き、指さした。スヴェートからの視点では前方の奥を、BXコマンド・バトルドロイドは指さしていた。
「遂にか。案内を頼む」
「ラジャー、ラジャー」
「部隊、私についてこい」
『ラジャー、ラジャー』
報告してきたBXコマンド・バトルドロイドと共に茂みの向こう側を抜ける為、先に前進する。後ろから続くBXコマンド・バトルドロイド部隊。
茂みを抜け、最後に大きな葉を払い退けると、小高い丘となっていた。
「コチラデス」
端末を持ち、先頭を歩くBXコマンド・バトルドロイドに近づいたスヴェート。
「遭難シグナルハ、アソコカラ出テイルヨウデス」
案内したBXコマンド・バトルドロイドは、端末を見つつ再確認する。
「あ、あの艦は…!?」
スヴェートの瞳には、超がつく程の信じられない物が映っていた。彼女は唖然とした目つきで、見つめることしか出来なかった。
「間違いない。アレは、旧日本海軍の沈没戦艦―――大和だ」
スヴェートは静かに鎮座する戦艦大和に目を見張り、ゴクンっと固唾を飲んだ。
旧日本海軍、戦艦大和。
大和型1番艦。基本排水量は6万4千トン、46サンチ砲を前方に6門、後方に3門を配置。全長は263m、第二次世界大戦時では歴史上最大の戦艦。
「…ふっ」
スヴェートは我慢の限界なのか、手の動作を交えながら叫び出した。
「どうなっているんだ!本当に、何がどうなっているんだこの星は!?」
全く以って理解出来ない。いや、理解しようがないし、理解したとしても受け入れることなんぞ無理だ。
「だがなぁ、行くしかないよな…」
はぁ、と憂鬱気味に深い溜め息を吐いたスヴェート。
二度目だが全く以って理解出来ない…が、この戦艦大和こそが全ての元凶なのだろう。そして、戦艦大和の中に、私を誘った存在が居るのだろう。
「行ってみるしか、ない、よな…」
こんな場所に戦艦大和があるなんて怪しさ満点だが、この意味分からん空間から脱出する為だ、行くしかない。スヴェートは不安な表情をしつつも決意を固め、部隊を率いて丘を降りたのだった。
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