第16話「あの艦は…!?」
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なく、大きくなっていく光を注視する。光は近づくとシャトルを飲み込んだ。
バシャーン!!
視界は突如として、一気に開けた。
「これは、いったい…!?」
スヴェートは、そこに広がる光景に仰天した。彼女が仰天するのも無理はなかった。
水面を脱したかと思えば、気付けば何処と知れぬ緑溢れるジャングルの上空に飛び出しのだから。シャトルは眼下にあるジャングルへと急降下していく、降下角度90度となって。
「出たかと思えば海底世界、どうなっt…いやいや落ちてる落ちてる!急上昇しろ急げ!」
「ア〜、デモ操縦桿ガ…」
「それを何とかするのがパイロットだろうが!!」
その時、突如として制御不能状態から回復し、スヴェートが持っていた操縦桿がスッと軽くなったのは。
「上昇!」
スヴェートは強制的に操縦をOOMパイロット・バトルドロイドから変わり、スロットを手前に引いて、エンジンを噴かした。直後、再びメインノズルに火が入ったシャトルは上昇を開始した。
「上がれ上がれ上がれ上がれ!」
やがて突入角度は45度へと回復し、落下速度を落としつつ、前へと飛行を開始した。シャトルは、海のように広がる低いジャングルの低い上空を飛行していた。
「機体、安定シマシタ」
安定した飛行となり、スヴェートは操縦をOOMパイロット・バトルドロイドに返した。
「し、死ぬかと思った…」
もしも反応が遅ければ、皆が揃って生者から死者へと乗り換えていただろう。生者は私だけだが。
落下中では死を悟ったが、今スヴェートは生きていると安堵していた。何せ、今こうして飛行出来ているとはいえ、かなり危うかったのだから。
「ふぅ…」
シャトルは安定している。
スヴェートは小さく息を吐き、肩の力を抜いて改めて外の光景を視認し、息を飲んだ。海底を抜けた先には、豊かな自然と蒼い空があることに、度肝を抜かされた。
やはりジャングルだ。それも、地球に存在するジャングルのような。文明らしいものは一切ない。
スヴェートは空気成分の分析を始める。少しして、分析が完了した。
「窒素78.1%、大気圧1018ヘクトパスカル、大気成分組成は某気候熱帯森林に酷似。有害な成分は無い。…此処は地球にとても良く似ている」
機体外部にあるセンサーを通じて、空気成分を分析したスヴェートは再び息を飲んだ。
「本当、南米のジャングルのようだ」
スヴェートがWOS世界より転移する前―――リアルに居た頃、彼女は南米のジャングルを旅行で行った事があった。その時はヘリを利用して上空を飛び、南米ジャングルの光景を楽しんだ記憶がある。
当時の旅行について懐かしんでいると
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