第15話「此処は、何処だ…?」
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「外部ヨリ干渉、舵ガ言ウ事ヲ利キマセン!制御不能デス!」
「本当に何故だ!?」
ワープが出来ないどころか、操舵が受けつけないでいた。
それだけではない。機関出力も勝手に行われ、乗組員の操作を一切受けつけることなく、航行を始めたのである。
「駄目デス、機関モ制御ヲ受ケツケマセン!大変ダー!?」
「勝手に、動くとはな…」
ブリリアンス艦隊旗艦アクラメータ級改〈スラクル〉だけではない。
全ての艦艇が制御不能となっていたことに、スヴェートは驚愕せざるを得なかった。
ブリリアンス艦隊は同じ方向へ艦首を向けると、整然と前進を続けていく。
それはまるで、何かに吸い寄せられているかのようであり、スヴェートは何故か魔女の話を思い返してしまった。
―――魔女の美しい唄声が船乗りを誘い、その魂を貪り食う。
これは、そのまま再現したかのような展開ではないのか?
これは、この空間は、もしや魔女が住まう…?
「マジか…」
唖然としてしまうのも、仕方がないのかもしれない。
つくづく運に見放されたのではないだろうか。勝手に動く艦艇に成す術もなく、スヴェートは眺めることしか出来ないでいた。
いつまで続くのかと思われたが、10分が経とうとした時に新たな変化が現れた。
「レーダーに感……天体デス!」
「天体……?」
索敵士が観測した天体の数は、一つの天体のみ。艦隊はその天体に向かっているようで、やがて肉眼でも見える距離にまで差し迫った。
そこで捉えたのは薄鈍色に輝く惑星で、コマのように真っ直ぐと自転していた。
北極と南極と思われる場所から強烈なピンクの光を上下に放ち、北半球、赤道、南半球にそれぞれ人ずつ細いピンクのリングを持つ。特に赤道上のリングは巨大で、地球であれば月軌道まで有りそうな大きさを有していた。
こんな姿の星は見た事が無い、異様な雰囲気にスヴェートは圧倒されていた。
「…目的地か?」
スヴェートはこの隔絶された空間の中で、孤立するように存在する惑星に警戒心を抱いた。あの惑星には近づかない方が良いのではと、頭に強く訴えているのだ。
しかし、だ。
近づかず離れることなど出来ない。艦艇は、コントロール下から離れているのだから。
やがてブリリアンス艦隊は、その薄鈍色の惑星の軌道上に着くや降下を開始した。
何かに引っ張られるようにして、あるいは導かれるようにして、惑星の大気圏内へと突入する。明るかった景色から一変し、暗くなる。
「全艦隊、惑星表面の調査を開始」
『ラジャー、ラジャー』
レーダーや通信系統は無事。
スヴェートは、惑星表面の調査を艦隊に通達した。この惑星の正
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