第12話「元地球人と出会ったギルド長」
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含めた勢力を勢力図に組み込み、今では異星人の技術を取り込んだが、必ずしも勝利の一方通行という訳でもなかった。WOSの要塞と技術が無ければ、転移後の私は何処かで死んでいただろう。
「数は?」
「数ハ1ツデス」
1つ、…つまり1隻か。
ギルド長はスクリーンに視線を移す。
「未確認艦、現宙域にワープアウトシマス」
B1バトルドロイドから報告された瞬間、漆黒の艦が姿を現した。漆黒の艦を映しているスクリーン。現宙域に出現した漆黒の艦はアルポ銀河に存在する勢力の艦船設計とは異なっており、それはWOSの艦船設計も同じ。アルポ銀河の外からやって来たのは、正解だったか。
漆黒の艦は被弾面積が多い設計だった。かの艦の全長は、エターナルストーム級改/指揮官級どころか航空母艦すら優に上回っている。やはり、宇宙は広い。
「本星防衛艦隊、シールド・フィールドを展開。本部シールドは展開を維持しつつ最大出力へ。Vー150プラネット・ディフェンダー、出現した漆黒の艦をロックオン、その後は指示あるまで待機せよ」
ギルド長は、現れた漆黒の艦に対応する姿勢を見せた。司令部は慌ただしくなり、通信が至る所から行き交う。攻撃はしない。攻撃するしないは、相手の出方次第だ。
勝てるか負けるか、それは分からない。
「ギルド長。不明艦ヨリ通信ガ。回線ヲ開キマスカ?」
「応じる。回線を開け」
ギルド長は許可した。
許可したと同時に司令部のスクリーンに砂嵐のようなノイズが走り、漆黒の艦の主であろう者が映し出された。
腰まである黒い肩掛けマントを背負い、黒い装甲服と素顔を一切晒さない黒ヘルメットに身を包んだ一人の人物。身体のシルエットからして女性であるのは間違いない。そのマスクから発せられる暗く重い声音に、ギルド長は思わず身構えてしまう。
『話がしたい』
「話?」
いったい、どんな話なのか、ギルド長には検討もつかなかった。彼女は警戒心を解くことなく、聞く姿勢をとる。
『貴様は地球人だろう?』
その言葉に、ギルド長は一気に緊張が走った。
『貴様は〇〇〇〇〇〇の長、〇〇〇〇〇だろう?』
ギルド長は緊張が高まったと同時にゾクリっと悪寒が走った。ギルド名はともかく、何故、私の名前を知っている。常に本部に居るし、外には出ていない私は間違いなく姿を晒していない筈だ。何故だ…。
警戒心を露わにするギルド長を僅かに見つめた黒い女性は、ヘルメットの黒い双眸から僅かに覗く紫の瞳を彼女に向けた。
『私の名はスノウ。元地球人だ』
「ふぁ!?」
ギルド長は絶句したが、直ぐに力強い眼光で睨みつけた。よくもまぁ、そんな嘘を。己は決して振り乱すこと
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