第11話後半
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艦隊と同じ反応です」
月のような灰色の船体、全長が二千mを超える艦艇、大型の艦首兵装。
間違いない。この艦艇こそが、敵艦隊の真の旗艦なのだ。
「い、依然と優位である事には変わりない。ぜ、全艦隊、艦砲射撃開始!」
何とか我に返った連合艦隊司令官は、やっとの思いで言葉を出せた。
既に敵艦隊の全てが撤退しており、この戦場に居るのは連合艦隊と敵の超弩級戦艦のみだ。
連合艦隊は主砲を斉射し、敵超弩級戦艦に叩き込む。叩き込まれたと同時に白いビームが爆ぜていく。包囲しての砲撃ではないが、それでも火力は圧倒的で敵超弩級戦艦は無傷では済まない。
「艦隊射撃七割命中!しかし敵シールド貫通に至らず!敵艦は無傷です!」
しかし、それは叶うことはなかった。
数的でいえば二千隻超えの連合艦隊のほうが圧倒的に優勢であるが、今までの敵旗艦と比べ、敵超弩級戦艦のシールドは強固で、かすり傷一つ付けることは叶わなかった。
「敵旗艦、砲撃!」
敵旗艦――敵超弩級戦艦より砲撃が艦首より放たれる。
しかしその砲撃は、…ただの砲撃ではなかった。
圧倒的破壊力を持つ光線に飲み込まれていき、射線上に存在した百隻以上の艦隊が光の渦へと消し去られ、一気に飲み込んでいく。それだけでは済まず、余波だけでその艦隊の付近に居た五〇隻もの艦艇が中破状態と化した。
「…は?」
何だ、今の砲撃は?
いや、それは最早、砲撃の域を超えている。誰もが唖然とし、連合艦隊司令官は口を開けたまま固まることしか出来ないでいた。
「司令官閣下!」
そんな中、一人の通信士官が声を上げる。
「今度は、何だ?」
声を上げた通信士官は振り向く連合艦隊司令官。通信士官は口を震わせながら、静かに報告する。
「…巨大な重力波、再び来ます」
「なんだと!?」
「さ、先程の、10倍以上の重力波です」
ワープアウト反応です、と付け加えた通信士官は続ける。
「新たに、敵艦二百隻を、確認、しました」
連合艦隊司令官がメインパネルに振り向くと、超弩級戦艦の後方に先程の1隻と似た艦影の艦隊がワープアウトした。
その艦隊は1600m級や900m級で主に構成されており、似つかない艦影の850m級も確認出来る。
しかしながら共通点として、艦首が主兵装となっている。
連合艦隊司令官にとって、最早この戦いの勝敗など、考えるまでもなかった。
…あぁ、負けるのか。…あぁ、そうか、これまで相手して艦隊は全て―――。
二百隻の敵艦隊は連合艦隊へ集中砲撃を開始する。
次々と爆沈し、連合艦隊の数は減りに減っていく。
「全艦隊、撤退!」
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