第11話後半
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静けさが支配する某惑星宙域に、三千もの赤い光点が輝く。
その光点一つ一つは宇宙艦隊を構成する空母や戦艦そして巡洋艦であり、その中には小さな光点を作る駆逐艦とより小さな光点が錯綜していた。
それらを束ねる立場にある連合艦隊司令官は、メインパネルに視線を移す。
「敵艦隊への損害大!敵艦隊の内の9割を撃破!1割を切りました!」
多種多様な艦艇で構成されている敵艦隊は燃え盛りながらも、連合艦隊へ砲火を浴びせる。
そんな中で連合艦隊屈指のスピードを誇る二千以上もの戦闘機が敵艦隊へ肉薄し、疾走していく。
十数秒後、敵艦隊から爆炎が舞い上がり、駆ける戦闘機の軌跡に鮮やかな光を灯していく光景が広がっていく。
「残り、敵旗艦のみ!」
依然と健在な敵旗艦は、再び来襲して来た大規模な戦闘機編隊へ対空砲火を浴びせる。しかしながら敵旗艦はその巨艦に似合わず、装備されている対空火器が非常に少ない。
だが、そんな事など連合艦隊にとっては知ったことなどない。
寧ろ感謝したぐらいだ、敵旗艦は狙いやすくて大きな的であるのだから。
連合艦隊に属する戦闘機編隊は対空砲火から慌てることなく避け、肉薄するや否や戦闘機から対艦ミサイルが一斉に発射された。
「全弾、着弾を確認!全て命中しました!」
殺到していた複数のミサイルが敵旗艦に着弾すると、周辺を圧する綺麗な花火が敵旗艦を包み込む。
「全艦隊、撃ち方始め!」
弩級戦艦・戦艦・巡洋艦・駆逐艦、艦種関係なく全ての戦闘艦艇から主砲が斉射される。
主砲から放たれた白いビームも着弾すると同時に、敵旗艦の装甲を引き裂き、大きな亀裂を生じさせる。
次の瞬間、ダークグレイ色が特徴な敵旗艦は形状を保つことが出来ずに轟沈していった。
「敵旗艦、撃破!」
その報告に連合艦隊将兵は、歓喜の声を上げる。
それは連合艦隊旗艦〈ミトロギア〉も同様であり、艦橋では歓喜の声で満たされた。
だがそれは、ほんの少しの事だ。
『!?』
連合艦隊司令官の咳払いで、一瞬で我に返る将兵達。
『……』
歓喜の声で満たされた艦橋が、今では少しの息遣いのみとなり静かとなった。
「気を緩ませるな。第一種戦闘配置を解除、第2種戦闘配置に移行。損傷が激しい艦を優先修理し、その後は補給。…キビキビと動け!」
『は、はっ!』
直後、艦橋が忙しくなり己の役目を果たす為に将兵達はキビキビと動く。
「ふぅ」
連合艦隊司令官は慌てて職務に戻る彼らを見つめ、誰にも気づかれることはない溜め息を吐いた。その気持ちは分からなくはない、彼が吐いた溜め息にはそんな想いが込められていた。
なんてい
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