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邪教、引き継ぎます
第四章
39.新たな助っ人?
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「ヒースさんがロンダルキアの(ほこら)に?」
「うん。アークデーモンの土下座は初めて見た。だいぶ必死な感じだったね」
「ヒースさんはご病気で療養中だったはずでは――」
「持病の仮病とか訳わかんないこと言ってた。まあ、わたしの見立てでは嘘かな。本当に病気だったんだろうけど、寝てる場合じゃないかもって思ったんでしょ」
「……?」
「全身黒焦げだったんで、念のためベホマして祠の中で寝かせてる。命に別状はないから安心して」
「ええ!? 黒焦げ!? どういうことですか!?」
「落ち着いて。ちゃんと最初から話すから」

 ロンダルキアの祠の主であるミグアは、経緯を詳しく説明した。



 老アークデーモン・ヒースは、祈祷師ケイラスの懸念を受け、フォル出発日以降、念のために神殿を見張っていた。
 懸念は現実となり、ザハン支部出身の祈祷師ハンソン含め5人の信者が、夕闇に紛れて悪魔神官の研究資料をロンダルキア外に持ち出そうとした。
 それを目撃したヒースは、ケイラスの指示で同じく神殿を見張っていた魔術師デルギンスとともに、その場で5人全員を取り押さえた。しかしヒースは重傷を負った。

 5人はデルコンダル王の特命を受けていた間者(かんじゃ)で、ロンダルキアへやってきて以来、教団内部の動きについても密かに報告をしていた。そしてデルコンダルはロンダルキアの情報をロトの子孫三国に売っていた。
 フォルたちが海底の洞窟へ向かった事実も漏れていると考えることが自然であり、刺客を向けられている可能性が疑われた。至急フォルたちに知らせに行く必要があったが、ヒース本人は重い上に回復呪文を使えないため、海底の洞窟への助っ人は、軽くて性能抜群であろうミグア以外に思いつかなかった。



「……ということでね。あの爺さんが呼んだバピラスの籠に乗って、ここに来たってわけ」

 バピラスはよく調教されてた、と少女は無感動に感想を付け加えた。

「そんなことが」

 フォルは呆然とした。
 事前に懸念を示していた祈祷師ケイラスを除いた一同も、驚愕の表情となった。

「まあ、前も言ったかもしれないけど。いろいろあるってことじゃないの、人が増えてくると」
「本当にありがとうございました。でもあなたがこちらにご協力をくださったことがサマルトリアの王子に思いっきりバレてしまいましたが、大丈夫なのでしょうか」

 ひょっとして、ロンダルキアの祠にとんでもない迷惑をかけてしまったのではないか。
 そう思って冷や汗を垂らすフォルだったが、白い少女はズレたマフラーを直すと、いつもと変わらないトーンで答えた。

「わたしは話を聞いて、ここに来ないといけないような気がした。だから断らなかった。こうなる可能性は当然あると思ってた。キミは気にしなく
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