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邪教、引き継ぎます
第四章
39.新たな助っ人?
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たものの、タクトいわく「復旧までは時間がかかる」とのことだった。褐色の四肢が剥き出しで防御力が皆無に等しかったため、狙われたか。

 フォルはシェーラのダメージが致命的でないことを確認すると、白い少女を見た。

「ミグアさん、マホトーンをお願いしてもよいですか」

 ロンダルキアの祠の少女は、小さな手のひらを向け、呪文を唱えた。
 だが、手ごたえのなさをすぐに感じたようだ。

「だめだね。効いてるとは思えない」
「そうですか……ありがとうございます」

 また妖術師がベギラマを唱える。
 次の標的は、丸腰のタクトだった。
 しかし今度はミグアの対応が間に合った。サマルトリアの王子のベギラマを相殺したときのように、他の面々にとって未知である氷の呪文を放ち、炎を包んで消滅させた。

 そして彼女はフォルに問う。

「残念そうだね。効いたら何かやりたかったの」
「え? あ、はい。もう昇天なさっても大丈夫であることをお伝えして、安心して逝っていただいたほうがよいのかなと」
「へえ。まあ、キミらしいかな」

 効かないものは仕方ない――ということで、タクトとシェーラを除く全員が攻撃の体勢を作る。
 まさに一斉攻撃を繰り出そうというとき、この場にはひどく似つかわしくない、落ち着いた男声がした。

「ほう。そういうことならばわしに任せよ」

 誰だ? と、全員が礼拝堂の入り口側を向く。

 そこには、木の杖を持ち、襟の大きな紫色のローブを着た、魔法使い風の男が立っていた。
 大きさこそ人間とさほど変わらないが、体色が青。明らかに人間ではなかった。

「あなたは?」
「敵ではない。安心するがよい」

 人間でない男はスタスタと寄ってきてフォルにそう答えると、木の杖をかざし、詠唱した。

「マホトーン――」
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