第四章
39.新たな助っ人?
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ていい」
「そ、そうですか……すみません」
「ああ、でも、あのデカい爺さんを祠の中で休ませるために、仕方なく入り口を壊したんで。仕上げに必要な材料とかは後でちょうだい」
それはもちろん、とペコペコ頭を下げた。
フォルは、事件解決のもう一人のキーマンであろう祈祷師ケイラスにも礼を言った。
「ケイラスさんがいらっしゃらなかったら、取り返しのつかないことになっていたようです。ありがとうございました」
「こういうこともある。今後の参考にしてくれればいい」
ベラヌール支部時代の部下がきちんと機能したのなら、それは何よりだ――。
彼はそう言って、仮面の奥の両眼を光らせた。
一行はそのまま進み、ついに目的地に到着した。
悪魔神官の研究資料の一部があるとされる、礼拝堂に。
それは、洞窟内の最奥部にある大空洞をそのまま生かす形で作られた、天井の高い、とても巨大なものであった。
礼拝堂内には溶岩がなく、自然の光源はない。
にもかかわらず、不自然に明るかった。
祭壇のまわりの灯台と、壁際に並んでいる灯台すべてに、明かりがともっていたのである。旺盛な炎が、礼拝堂の岩肌を照らしていた。
他のフロアや通路のように、信者の遺体は散乱していない。骨らしきものは礼拝堂内に存在していたが、隅に片づけられていた。
そして――。
「妖術師、様……?」
フォルの声が、広い礼拝堂に響く。
まばゆい祭壇に、信者の後ろ姿があった。ローブは紫色、頭巾は緑色であるため、妖術師である。
妖術師が振り向いた。
仮面を着けている。杖も持っていた。
祭壇から、一歩、二歩と、フォルたちのほうへと近づき……。
「ダレ……ダ……」
仮面の中から発せられたのは、明らかに人間からかけ離れた、低く抑揚のない、生気を感じない声。
「亡くなられて……ましたか……」
フォルの肩が落ちた。
「ユビ、イッポン、フレサセナイ……ベギラマ」
「え――」
亡霊とはいえ、スカルナイトではなく元人間の信者である。問答無用で攻撃してきたというのは一同にとって予想外だった。
無機的な声での詠唱とともに、妖術師が宝玉の光る杖を向けた先は、バーサーカーの少女だった。
「あ゛あ゛あああああああっ」
「シェーラさん!」
彼女は盾で受けたものの、激しい炎に包まれ、大きく吹き飛ばされた。
転がって倒れたところに、慌ててフォルが駆け寄る。
「ぁぁ……ぅぁっ……」
「だ、大丈夫ですかっ」
苦しそうにあえぐ彼女の体は、肌着姿である。タクトから譲り受けた服はサマルトリアの王子の猛攻に耐えかねて分解してしまっていたためだ。
破片はすべて回収してい
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