暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第214話:黄金に花咲く、アマルガム
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に先程よりも凄まじい熱量を持つエネルギーが迫ってきた光景に、全員覚悟を決めた。

「迷っている暇はないかッ!」
「奏さんは私達の後ろにッ!」
「皆、行くわよッ!」

 奏を中心に円陣を組み、身構える装者達。

 その彼女達を衝撃波が飲み込み、その威力は迷宮自体を崩壊させるほどの威力となって彼女達に襲い掛かる。

 その技の名を…………

「「「ダイダロスエンドッ!!」」」

 一点に圧縮、炸裂させたエネルギーは迷宮のピラミッドも何もかもを崩壊させ、吹き飛ばした。光と共に黒煙が広がり、強烈な爆発が起きた事を証明するキノコ雲が出来た。

 その光景に、ヴァネッサ達は己の勝利を確信する。これをまともに喰らって、生きていられるものなど居る筈がない。ましてやイグナイトもエクスドライブも無いシンフォギアでは…………

 そう、思っていた時、その場に朝日が差し込んだ。眩く温かな光が周囲を照らす。その光を、煙の中にある何かが弾いた。

「えっ?」

 それが果たして誰の声だったのか、彼女達自身も認識する事は出来なかった。ただ一つ分かったのは、黒煙の中に何かがある事だけ。
 目を凝らして煙の中を凝視した瞬間、何かが衝撃となって煙を吹き飛ばし、そこには地面に膝をついた奏と彼女を守る様に円陣を組んだ6人の戦姫の姿があった。彼女達の姿は、迷宮に閉じ込められる前とは明らかに異なっている。全身を覆うスーツに最低限の鎧。奏以外の全員が、色以外デザインの同じ装いを身に纏い、その周囲を黄金のフィールドで覆われている。

 無傷の彼女達の姿に、ヴァネッサ達も思わず目を?き驚愕した。

「そんなッ!?」
「あり得ないッ!? 一体、どうやってッ!?」
「閉鎖空間の中で、あれだけのエネルギーの炸裂を受けて何故無事でありますかッ!?」

 彼女達が知らないのも無理はない。それは、偶然の産物による部分が大きいからだ。

 先のパヴァリアとの最終決戦に置いて、アダムは颯人を仕留める為にサンジェルマン達のファウストローブのコアとなる賢者の石からエネルギーを抽出し、それを攻撃に転用した。その際響を始め装者達が一堂に会してその一撃を防ぎ、更にそれを颯人と奏に支えられてエネルギーの全てを受け止めた。
 その際にエネルギーがシンフォギアと溶け合う事で、ギアが錬金術のエネルギーを取り込み再構築。新たに学習して新たに組み込んだ機能がこの形態であった。

 その名を、アマルガム……シンフォギアと錬金術の融合により誕生した、黄金の華の名前であった。
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