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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第214話:黄金に花咲く、アマルガム
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の時颯人はオーガにより幾分か魔力を吸い取られていた。お陰で奏に共有される魔力の総量も相対的に下がり、結果的に普段なら何てことは無い魔法でも彼女に取っては負担となってしまうのだ。

 内部の様子は当然術者である3人には手に取るように分かる。彼女達は奏のお陰で、他の装者達が無傷である事が分かっていた。

「クソッ! しぶといぜ、コイツ等……」
「ですが、今ので最大の守りは崩せた様であります」

 ミラアルクの分析通り、今ので奏は大分消耗した。響達他の装者は無傷だが、代わりに消耗した奏はウィザードギア自体は維持しているがその場に膝をついている。次に同じ一撃を放たれても、果たして奏に防ぎきる事が出来るかどうかと言う状態だ。

「はぁ、はぁ、はぁ……」
「奏、大丈夫ッ!?」
「あ、あぁ……クソ、外で何が起きてる? 颯人の奴大丈夫か?」

 魔力的なバイパスを通じて、颯人の身に何らかの異変が起きている事は分かった。これ以上はマズイ。奏がウィザードギアブレイブを用いている限り、颯人は魔力をこちらにも共有している関係で彼自身の魔法の質が下がってしまう。
 この事態に際し、奏はウィザードギアブレイブを解いた。それは仲間達よりも颯人の方を取ったとも見えるが、同時に颯人を信じ、仲間達がこの状況を打開してくれることを信じての事でもあった。

「悪い、皆……アタシに出来るのはここまで見たいた」
「いいえ、さっきの一撃を凌いでくれただけでも十分よ。あとは私達で何とかするッ!」
「な、何とかって……どうするデスかッ!」
「アタシらの攻撃じゃ、これを破れないんだぞ?」

 切歌とクリスの懸念も尤もだ。彼女達の攻撃では、この迷宮の壁を崩す事も出来ない。もしイグナイトが使えるのであれば、その決戦機能を用いてブチ破る事も出来たかもしれなかったが、既にイグナイトの機能は彼女達のシンフォギアから失われてしまっている。
 万事休す……かと思われたその時、響が顔を上げた。

「そうだ……あの機能! 出発前に了子さん達が教えてくれた”アレ”、使ってみましょう!」
「”アレ”……って、例の新機能かッ! でもあれはモノを教えられただけで、テストした事もねえんだぞッ!」

 響の言うあの機能とは、サンジェルマンと了子により見出されたシンフォギアの新機能。イグナイトに代わる決戦機能となるものであった。だがそれに関して、彼女達は存在を知らされ起動法を教えられただけで実践どころかテストもした事が無い。そんなのをぶっつけ本番で使うなど、幾ら何でも博打にも程がある。
 だが状況は彼女達にそれ以上の議論の余地を与えてはくれなかった。ヴァネッサ達は奏のお陰で装者達が無事だと分かると、残りの全てのエネルギーを一点に集中させる事で全員を一網打尽にする事を考えたらしい。明らか
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