暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第214話:黄金に花咲く、アマルガム
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は彼にダメージなど欠片も与えないが、魔力が弾けた瞬間の光は彼を怯ませるには十分な程のそれであり、そしてその瞬間に出来た隙はオーガが接近し大口を開けて颯人を頭から丸呑みにしようとするのには余裕の時間があった。

「貰ったぁぁぁッ!」
「あっ!?」

 光と煙が晴れた次の瞬間、颯人の目の前には吐息が感じられるほどに迫ったオーガの大きく裂けた口が視界一杯に広がっていた。




***




 颯人がオーガに足止めされている頃、迷宮の中では奏達が互いに合流しようと入り組んだ内部を駆けまわっていた。右を見ても左を見ても、全てが同じ景色で果たして自分は何処かへ向かえているのかも分からない。同じところをぐるぐる回っているだけなのではと思ってしまう程の状況に不安を感じる中、彼女達を更に追い立てる事態が発生した。

「ん? げっ!? 何だあれッ!?」

 背後から光と衝撃が迫ってくる。それに気付いた奏はもうなりふり構わず駆けだし、衝撃波に追いつかれないようにと兎に角距離を取ろうとした。
 それが結果的に幸いした。衝撃波は迷宮の外縁から中心部へ向けて真っ直ぐ迫っている。それから逃れようとすれば、必然的に迷宮の中にバラバラに散る事となった装者達も一か所に集まれることを意味していた。

「あっ! 皆ッ!」
「奏ッ! 皆も無事かッ!」

 そんなに長い時間ではなかった筈だが、再び顔を合わせられた事に束の間安堵する翼だったが直後に全員相手の背後から衝撃波が迫っている事に気付き背中合わせになり衝撃に備えた。

「来るわッ! 備えてッ!」
「させるかよッ!」
〈ブレイブ、プリーズ〉

 自分達が集まっているこの場所に向け迫ってくる衝撃波を前に、奏はウィザードギアブレイブを起動。颯人から流れて魔力を用いて、全員をこの衝撃波から守る為に炎の翼で全員を包み込んだ。

〈ブレイブ!〉
「オォォォッ!」

 奏の背中から広がる炎の翼が、仲間の装者達を包んだ。直後光が彼女達を包み込み、その瞬間凄まじい衝撃と圧迫感、熱量が炎の翼越しに奏を苛んだ。

「ぐっ! ぐぅぅぅぅぅっ!?」

 衝撃自体は決して長いものではなかったが、それでもこの迷宮を形作る為に用いられたエネルギーをそのまま反転させ一点に収束、閉鎖空間の中で炸裂させたものは生半可な威力ではない。爆竹は威力が低くとも、握り拳の中で破裂させれば容易く拳を吹き飛ばす。同様に閉鎖空間の中で炸裂したエネルギーは、本来であれば装者全員を行動不能に陥らせるほどの威力であった。
 それを耐えきった奏のブレイブの魔法は大したものだが、しかしこの時奏は違和感を感じていた。何時もより負担が大きい。まるで半端に疲れた状態で全力を出そうとした時の様である。

 奏は知らない事だが、こ
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