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星河の覇皇
第八十七部第一章 シャイターンの復活その四十八

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「確かにティムール軍は敗れた」
「はい、この五日の間です」
「散々に敗れています」
「国境を破られ」
「そして第二次防衛ラインも突破されました」
「ですが」
 それでもというのだ、観戦武官達少なくともこの艦に乗り込んでいる誰もがティムール軍の動きについてはこう言った。
「オムダーマン軍の奇襲はありましたが」
「それでもです」
「動き自体は特に」
「これといってです」
「悪くないですし」
「以前と別に」
「変わっていないな、だがだ」
 自分達はそう思っていてもというのだ。
「謎の奇襲だけでなくだ」
「オムダーマン軍のですね」
「それだけでなくですね」
「さらにですか」
「ティムール軍の動きもだ」
 これもというのだ。
「違っていてだ」
「質が落ちている」
「そうなのですか」
「お二方が言われるには」
「左様ですか」
「そうらしい、そしてだ」
 大佐はさらに言った。
「その動きの質が落ちたことが今の戦局に影響しているとな」
「一気にオムダーマン軍に動いた」
「そのことに影響している」
「そうだというのですか」
「どうもな、確かにオムダーマン軍の奇襲は妙だ」
 このことはエウロパ軍だけでなく連合中央政府軍及び各国軍そしてマウリア軍も思っていることである。
「それで国境も防衛ラインも突破している」
「左様ですね」
「突如として魚雷が出て来てです」
「そうして攻撃を行い」
「ティムール軍の基地や艦隊にダメージを与えています」
「その様にしています」
「徹底した隠密行動を行い」
 そしてというのだ。
「攻撃を加えている様だが」
「かなりの隠密行動ですね」
「まるで姿が見えません」
「そうしたものです」
「アッディーン大統領は機動戦と奇襲が得意だ」
 彼のこのことも話した。
「予想を超える速さで進軍してだ」
「敵を一気に攻撃したり」
「他にはでしたね」
「アステロイド帯を突破したり」
「そうして勝ってきましたね」
「そうしてきたが」
 それでもというのだ。
「今回はだ」
「奇襲になりますね」
「あの御仁の得意戦術のうちのそちらですね」
「そちらを使っています」
「このことは間違いないですが」
「だがその奇襲が具体的にどういったものか」
 このことはというのだ。
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