第9話「隣星系に攻め込む作戦完了後」
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軍服を着用した彼女は鏡の前に立ち、髪を整えながら自分の姿を見る。
艶かで美しく、きめ細かな黒髪。
真っ直ぐ整った鼻。
切れ長の美しい赤い瞳。
強い意思を感じさせる唇。
全てがバランスよく配置された彼女の顔立ちは、まるで精巧に作り上げられた人形のようにも見えることだろう。
いや、美しいのは顔だけじゃない。
身体付きも完璧といっても過言ではないものだった。
学ランを基調としたような白い軍服。
軍服の上からはっきりと分かるくらい胸元は、ツンっと上向きに盛り上がっている。
それでいて腰は今にも折れそうなくらい引き締まっていた。
下は白いスラックス。
足にフィットしているスラックスは足のラインが良く分かり、スラリとした両足は、まるでモデルのよう。
もしも軍の講堂の壁に背中を預け、腕に組みながら、ただそこに立っているだけとする。
さぞかし異常な存在感を放つことだろう。
ちなみに彼女の容貌は、リアルの自分をベースにしたものだ。
「髪の整え完了っと」
髪の整えが終わったギルド長は、赤い肩掛けマントを付ける。
鏡に映る彼女の姿は、さながら高級将校のよう。
ギルド長はタブレット端末を手に取り、靴置き場にある黒いブーツを履き、脱衣所を後にしたのだった。
…日本酒の冷とお猪口を忘れてしまった事を思い出した彼女は、B1バトルドロイドに片付けをお願いしたのだった。
良い子の皆は忘れ物しないようにしましょう。
〈???SIDE〉
暗い。
此処は、何処だ?
身動きが取れない、拘束されているのか?
…あぁ、そうだ。
私は、逃げ遅れたんだ。
脱出しようとしても、既に手遅れだった。
鉄の骨で出来たドロイド共に、制圧されたからだ。
私以外の者は、どうだったかな。
…あぁ、そうだ。
私以外の者は、殺されたんだ。
降伏しても殺され。
死んだフリをしていても殺された。
何故無抵抗の者を殺すのかを、とある者は言った。
「なんで、なんで殺すんだ!無抵抗なのに、何故だ!」
とある者と向き合っていた数体のドロイドの会話を聞いた。
「無抵抗ダッテサ、先マデハ抵抗シテイタノに」
「ホントダヨナ〜」
「ア〜、コマンダー?ドウシマショウ?」
「宇宙人・エイリアンに耳ヲ貸スナ、排除シロ」
『ラジャー、ラジャー!』
その直後、銃声音が鳴り響いた。
ちらっと覗き込む必要は、なかった。
彼は死んだと、理解したからだ。
トントンっと肩をつつかれた私は振り返り、…意識を失った。
…何故、私は生きているのか、分からない。
…何故、生かされてい
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