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東方守勢録
第七話
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はいつものようにどっしり構えてればいいのよ」
「霊夢……」
「ま、どうせ考えたって作戦なんてないんだから。いつも通りやればいいのよ」
 そう言った霊夢だが、おそらく伝えたいのはそこではないだろう。こんな状況になってから自分を追い詰めることが多くなった自分を励ましてくれているようなものだ。そんな霊夢に紫は少し救われたようだった。
「……そうね。わかったわ……ありがと」
(霊夢に言われるなんて……私もまだまだね)
 なんてことを思いながら大きく深呼吸をする。
「じゃあ行き当たりばったりでいきましょうか」
 少し笑いながらそう言ってみると、他の四人も次第と笑みがこぼれた。どうやら気分転換にはなったようだ。
 しかし状況が変わったわけではない。とにかくいまはなんとしても耐え凌がないと後がない。ましてやここで俊司がやられてしまうと、彼を連れてきた意味もなくなってしまう。ここが一番の正念場だ
 そしてその時はゆっくりと訪れた。
「来ましたよ!」
 文が指をさしたところには、軍人の特徴でもある戦闘服をきた兵士がぞろぞろとこちらに向かってきていた。みた感じなにか特徴を持った兵士は見当たらない。少し勝機が見えてきていた。
「さてと俊司、あんた戦闘経験は?」
「えっ……さっきの一回だけ……」
「じゃあ無理しないでよね。あんたは貴重な戦力なんだから」
 戦わなくてもいいとは言ってくれない事に少し落胆しつつ、自分自身に鞭を入れて戦いに目を向け始める。
するとさっきまで感じていなかった疑問を急に感じ始めた。
「紫……これ……弾は?」
 さっきクルトと戦った際に撃ったのは一発だけだったが、別にリロードをしたわけでもない。それに渡されたのは銃のみで、変えのマガジンや弾などは渡されてはいないのだ。そうなるとあと何発撃てるのかだが、紫はなぜかキョトンとしていた。
「弾? たしか何発でも撃てるって言ってたわね……」
 紫の返答に思わず顔をひきつらせてしまう俊司。いくら幻想郷だとはいえどどんな武器だよと思わず突っ込んでしまった。
 しかしそんなことを言っている場合ではない。そう思いながら敵を見る。その時だった。
「えっ!? 紫……あれって……」
「あれ?……!?」
ある部分……いやある人物を見た瞬間、紫と俊司は思わず自分の目を疑ってしまった。それに二人だけではない。ほかの三人も同様に言葉を失ってその場所を見ている。
 その人物とは、そこにいた全員が知っている人物だった。
「あらあら……久しぶりね?」
 近づいてくるなり声をかけてくる女性。俊司達は言葉を失ったまま何もしゃべろうとはしない。
「ちょっとどうしたの〜? 私のこと忘れちゃった?」
 女性は笑みを浮かべながらそんなことを言ってくる。別に忘れたわけではないし忘れる理由もない。ただ彼
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