第七話
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事を知っていた理由として例のゲームの話を始めた。そこに出てくる登場人物の話と出来事をすべて話して見ると、霊夢達三人は予想通り目を丸くして驚いていた。しかし驚きとは裏腹に彼女達には不信感が募っているようだ。
「内容はわかるけど……なんか……ね」
「うーん、信用性があればスクープとして取り上げるんですが……」
二人とも予想通りの反応だった。外の世界にそんな物があるなんて考えられないし、ましてや自分達がたどってきた歴史もそっくりそのまま描かれているとなると何がなんだか分からなくなってしまう。
「あーなんて言ったらいいんだろうか……」
こればかりは俊司も説明のしようがなかった。彼女達は実物を見ているわけでもないし、俊司自身が今実物を持ってきているわけでもない。それにお互い今日出会った物同士なので、すぐに信用しろと言ってもできないのは当たり前のことだ。
どうするべきかわからず途方に暮れていた俊司だったが、そんな彼に助け船を出したのは紫だった。
「俊司君が言ってることはほんとよ」
「紫?それは……確信があるの?」
「当り前よ。私も何回か見たことがあるわ」
紫なら自身がスキマを使って外の世界を眺めることも出来るし、場合によっては自ら外に出向くことだってできるはず。それならそのゲームの事を知っていてもおかしくはないはずだ。
紫の話を聞いた霊夢達も、なんとか俊司の話を信じるようにはなったようだった。
「なるほどね……紫が言うなら……そうなのかもね」
「……ありがとう紫」
礼を言った後、俊司はほっと胸をなでおろしていた。するとそんな彼をなにか興味深そうにみる少女が、メモ帳とペンを構えてゆっくりと近寄ってきた。
「ところで……俊司さんでしたっけ?フルネームは?」
「里中……俊司」
「ほほう……どうして外来人なのに私たちに協力したんですか?」
「いや、紫に連れてこられて……そうきめたから」
二人のやり取りは取材を行う風景そのものだった。そんな光景を見ながら他の三人はまたかと言わんばかりに溜息をつく。
「ほほう……では……」
「ちょっと文!なにしてんの!」
見かねた霊夢は少し怒り気味で文を止めた。さすがにやりすぎたかと文は申し訳なさそうにふるまっている。
「また取材しようとしてたんでしょ!」
「あやや……そりゃあ私は記者ですから……」
文は苦笑いをしながら正当な言い訳をする。霊夢はいつも通りの文にまた呆れていた。
「はあ……まあいいわ。えーと……俊司だっけ?」
「あ……はい……」
「私たちのことは呼び捨てでかまわないわ。あと、敬語もなしで」
霊夢は真剣な目つきでそう言った。少し気迫のような何かを感じ取った俊司は、少し体を震わせながらもそれに答えるように顔つきを変えた。
「……わかった」
俊司が返事を返
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