第6話「彼は観た」
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…その建造物の周囲に戦闘艦と思しき艦艇が、多数存在していることを。
口に溜まった唾をゴクリっと、彼は呑み込んだ。
…1週間程前までは、あのような建造物は存在していなかった。
……【災害】?
………いやいや、そんな訳があるか。
あのような存在が沢山居て堪るもんか、お腹いっぱい過ぎる。
しかし、あの建造物にあの多数の艦艇は、【災害】が率いた軍勢ではないのは確かだ。
【災害】は統一された軍勢である一方、この艦艇達は統一された艦ではないようで、多種多様のようだった。
…新たに出現した【未知なる存在】、なのか?
う〜ん、と腕を組み考えるが、分からないままだ。
彼は自分のみで解決するのには限度があると判断し、帰還しようとする。
その時だった。突如として、警報が鳴り響いたのは。
うるさいうるさいっと警報音を止め、映像に目をやる。
その映像には、【未知なる存在】の艦隊が此方に接近しようとしていた。
彼は冷静さを忘れず、監視対象星系より無人戦艦を下がらせようとするが、あっ…と唖然となってしまい出来ないでいた。
そう、…彼はうっかり主砲発射ボタンを押してしまったのだ。
や、や、やってしまったー!?
彼は両手を頭に置きそして抱えたと同時に、声高に叫んだ。
主砲群から放たれた白いビームは前列にいる艦艇x4に真っ直ぐ向かっていき、命中していく。
命中した艦艇達の内1隻を撃沈させ、残りの3隻を中破状態とした。
……あぅ。
神は死んだ。何故かは分からない、そう唱えたかった。
あぁもうっ、艦隊は迫ってくるしっ、相手の言語なんぞ知らんの当然だが通信やって来るしっ、本当にやってしまったー!?
彼の心情を知らず、その艦隊は無人戦艦をコテンパンにしようと迫ってきており、射程距離に入ったのか、無人戦艦に向けて、主砲から砲弾を発射し、ミサイル艦からはミサイルを発射した。
砲弾を使うって、なんて前時代的な未知なる存在だなぁ〜。
誰だよ〜、このような状況を作ったのは〜、……ははっ、ハハハハハハっ…!
…落ち着け、落ち着け、シールドを展開しつつ無人戦艦を下がらせればいいんだ。
彼はヒッヒッフーっと深呼吸を繰り返し、無人戦艦に帰還命令の指示を出したが、またしても彼はやってしまう。
…あっ、シールド起動し忘れたー!?
その結果、攻撃をもろに受けてしまい、大破となっていてもおかしくはない状態と化してしまう無人戦艦。
大破にも等しい状態と化した無人戦艦は、まともにシールドを展開する事すら無理で、その後は撃沈されてしまった。
……あぅ。
そう光景を目の当たりした彼は、人に決して見せれない顔となり、シグナルロ
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