暁 〜小説投稿サイト〜
『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
黒い未亡人は、背中を合わせる
[1/8]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
「たかが水着に着替えただけじゃん…!!」

モレーが美遊ちゃんを無視して、水着となった香子に突っ込んでくる。

確かに、水着に着替えただけにみえるかもしれない。

だが、今の香子は何もかもが違う。

「…。」

ガラスのペンから手を離すと、それはひとりでに宙に浮く。

香子の指の動きに追従するように、その場に文字を綴ると、書かれた文字列が紫色に怪しく光った。


「あ…っ!!」

瞬間、モレーの動きが止まる。

「…!?身体が…!!」

膝をつき、剣を突き立てて立つのもやっとの状態みたいだ。

「呪いか…!魔女のあたしを呪うとか…喧嘩売ってんの…?」
「なれば返してみればよいではありませんか。確か…呪っ殺す≠フでしょう?」
「んの…クサレババァ!!」

お決まりのセリフなんだろう。
煽るように呪っ殺すを真似られモレーは明らかにキレている。

「筆がノってる?だからライダー?ふざけるのも大概にしなよ。どう足掻いたってアンタはごくありふれた一般クラス!あたしはエクストラのフォーリナーなんだからさァ!!」

「……。」
「……。」

それでも身体に鞭打ち、モレーは剣を振るって強引に駆ける。
しかしその前に、対処すべき相手がいる。

背後。
見なくともわかる。そこに迫る奴目掛け、

「「そこッ!!」」

背後からタックルでもぶちかます予定だったんだろう。

走ってきたサウザンの顔面めがけ、香子と一緒にハイキックをおみまいした。

「ぐ…お…」

両側面にすさまじい蹴りをくらい、存分に脳が揺さぶられる。
よろけるサウザン、ガラ空きになった胴体。

「鍛えたとしても、内蔵(ナカ)まではどうかな!!」

服の上からでも分かるほどのガチガチの腹筋。
そこ目掛け、あたしは気を集中させて必殺の一撃を叩き込んだ。

発勁。
筋肉の鎧を通り越し、その衝撃は中まで伝わっていく。

「ごほ…っ!?」

次の瞬間、大量の吐血。
そうしてサウザンはその場に膝を着き、何が起こっているのかわかっていない様子。

「俺の身体に…何を…ッ!!」

顔を上げ、疑問を口にする彼。
お返しするのは香子。
ただし言葉ではなく、

「ぐぼっ…」

踵落としで。

やつが最後に見た光景は、御御足を高く上げた彼女の姿だった。

「バリバリ動けんじゃん…水着(ソレ)。」
「えぇ、賢士様には感謝しないといけませんね。やはりこの霊基、とても動きやすいです。」

そうしてあたしは駆ける。
それに合わせて香子も駆け、やってくるモレーとぶつかり合う。

「…!!」

振るわれた剣は香子がペンで受け止め、鍔迫り合いの状態に。
しかし、

「こん…
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ