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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
黒い未亡人は、背中を合わせる
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「たかが水着に着替えただけじゃん…!!」
モレーが美遊ちゃんを無視して、水着となった香子に突っ込んでくる。
確かに、水着に着替えただけにみえるかもしれない。
だが、今の香子は何もかもが違う。
「…。」
ガラスのペンから手を離すと、それはひとりでに宙に浮く。
香子の指の動きに追従するように、その場に文字を綴ると、書かれた文字列が紫色に怪しく光った。
「あ…っ!!」
瞬間、モレーの動きが止まる。
「…!?身体が…!!」
膝をつき、剣を突き立てて立つのもやっとの状態みたいだ。
「呪いか…!魔女のあたしを呪うとか…喧嘩売ってんの…?」
「なれば返してみればよいではありませんか。確か…呪っ殺す≠フでしょう?」
「んの…クサレババァ!!」
お決まりのセリフなんだろう。
煽るように呪っ殺すを真似られモレーは明らかにキレている。
「筆がノってる?だからライダー?ふざけるのも大概にしなよ。どう足掻いたってアンタはごくありふれた一般クラス!あたしはエクストラのフォーリナーなんだからさァ!!」
「……。」
「……。」
それでも身体に鞭打ち、モレーは剣を振るって強引に駆ける。
しかしその前に、対処すべき相手がいる。
背後。
見なくともわかる。そこに迫る奴目掛け、
「「そこッ!!」」
背後からタックルでもぶちかます予定だったんだろう。
走ってきたサウザンの顔面めがけ、香子と一緒にハイキックをおみまいした。
「ぐ…お…」
両側面にすさまじい蹴りをくらい、存分に脳が揺さぶられる。
よろけるサウザン、ガラ空きになった胴体。
「鍛えたとしても、
内蔵
(
ナカ
)
まではどうかな!!」
服の上からでも分かるほどのガチガチの腹筋。
そこ目掛け、あたしは気を集中させて必殺の一撃を叩き込んだ。
発勁。
筋肉の鎧を通り越し、その衝撃は中まで伝わっていく。
「ごほ…っ!?」
次の瞬間、大量の吐血。
そうしてサウザンはその場に膝を着き、何が起こっているのかわかっていない様子。
「俺の身体に…何を…ッ!!」
顔を上げ、疑問を口にする彼。
お返しするのは香子。
ただし言葉ではなく、
「ぐぼっ…」
踵落としで。
やつが最後に見た光景は、御御足を高く上げた彼女の姿だった。
「バリバリ動けんじゃん…
水着
(
ソレ
)
。」
「えぇ、賢士様には感謝しないといけませんね。やはりこの霊基、とても動きやすいです。」
そうしてあたしは駆ける。
それに合わせて香子も駆け、やってくるモレーとぶつかり合う。
「…!!」
振るわれた剣は香子がペンで受け止め、鍔迫り合いの状態に。
しかし、
「こん…
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