第七百六十三話 餓鬼の姿その八
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「妬み僻み」
「悪いことばかり言っているなら」
「そして働きもせず」
「それ一番大きい?」
「そうですね、そのうえで他の人にたかってです」
「怠けたままなら」
「最も悪いですね」
セーラも否定しなかった。
「やはり」
「そうよね」
「そうしてです」
「全く成長しないなら」
「白痴ですね」
「そうね」
エイミーはセーラの言葉に確かにと頷いた。
「知能や考えは」
「そうですね、ですが」
ここでセーラはこうも言った。
「白痴は全く何もありません」
「ああ、そうだな」
「白痴というとね」
テンボとジャッキーはセーラの今の言葉に確かな顔と声で頷いた、そうしてそのうえでこんなことを言った。
「アンネットから聞いたけれど」
「真っ白ということだからな」
「悪いものが一切なくて」
「清らかね」
「そうです、白紙ということなら」
セーラもこう言った。
「白痴はそうした意味でもあるので」
「いいものもないが」
「悪いものもないわね」
「だからロシアではいいとも言われるな」
「あっちの宗教の考えね」
「聖愚者です」
セーラはこの言葉も出した。
「白痴ならかえってです」
「何もない、真っ白でな」
「尊いのね」
「ですから本来はです」
「白痴でもか」
「悪くないのよね」
「そうです、ですが知的レベルがそうであり」
白痴と言っていいものであってというのだ。
「悪いものばかりあるなら」
「それならか」
「餓鬼なのね」
「聖愚者は真っ白のままだから尊いのです」
ロシア正教ではそうなっているのだ、この時代のロシアでも彼等は存在していて敬愛の念を持たれているのだ。
「しかしです」
「それでもか」
「今お話している人は」
「悪いものばかりあり」
そうであってというのだ。
「いいものを備えない」
「そうした人だからか」
「餓鬼になったのね」
「はい」
まさにというのだ。
「その通りです」
「そういうことか」
「いいものに近付けない人なのね」
「ちょっと言われると怒って受け付けないで」
「よくなることのない人だから」
「そうなのです、ですからこのままです」
二人に餓鬼の写真を観つつ話した。
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