第百三十八話 肩と肘その五
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「わからないよ」
「そうよね、私もね」
一華も頷いて応えた。
「煙草はね」
「吸うつもりないね」
「一体何がいいのか」
「わからないね」
「身体に悪いのがね」
このことがというのだ。
「わかってるのに」
「吸う理由がわからないね」
「さっきドイツのお話したけれど」
またこの国の話をした。
「昔の軍人さんは普通に吸いながら会議してたのよね」
「昔は男の人はかなりね」
「吸ってたわね」
「徳に軍人さん達はね」
「それで何かのアニメで煙草吸って」
そうしつつというのだ。
「ワイン飲みながらね」
「会議していたんだ」
「誰もがね」
「あっちじゃお酒はお水みたいなものだしね」
「ワインも一緒だったわね」
「煙草とね、ああして煙草を皆で吸いながらお部屋の中にいたら」
達川はそうすればと述べた。
「かなり身体に悪いよ」
「煙草も問題だけれどね」
「煙もね」
水炊きの鶏肉を食べつつ話した。
「身体に悪いからね」
「駄目よね」
「だからね」
それでというのだ。
「その場面健康にはね」
「かなり悪いわね」
「ワインはよくても。まああそこにお髭の総統さんいたら」
「ああ、チョビ髭の」
「あの人煙草大嫌いだったから」
そして酒を飲まず菜食主義者であった。
「あの人の前では禁煙だったんだ」
「あの人自身も吸わなくて」
「そうだったんだ」
「そのことはいいことね」
一華は心から思ってこの言葉を出した。
「煙草を吸わないことは」
「あの人は色々やったけれどね」
「生活自体は真面目だったらしいし」
「煙草もね」
「吸わなかったのね」
「それでいいよ、本当にね」
「煙草は身体に悪いから」
このことをだ、一華は強く言った。
「絶対に吸わないことね」
「そう思うよ」
「それでも吸う人いるわね」
「俺にはわからないよ」
「私もよ。美味しいのかしら」
「いや、それがね」
達川は煙草の味の話をした。
「あまりね」
「美味しくないの」
「そうみたいだよ」
「そうなのね」
「けれどね」
それでもというのだ。
「一旦吸うと中毒になるから」
「ニコチン中毒ね」
「それでね」
「吸う人は吸うのね」
「そうみたいだよ」
「じゃあ興味本位で吸って」
一華はこう考えて言った。
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