第百三十八話 肩と肘その四
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「あの時は」
「それで朝お風呂入ったわね」
「二日酔い解消してたよ」
「そうだったわね」
「お風呂なかったら」
それこそというのだ。
「大変だったわ」
「頭痛くてね」
「そうそう、それでね」
その為にというのだ。
「動けない位だったわ」
「それでも何とかお風呂に入って」
「すっきりしてね」
そうしてというのだ。
「復活して」
「一日はじめてたね」
「合宿の時はね」
「皆そうだったわね」
「それで一ちゃんあの時は日本酒飲んでたんだ」
「かなりね」
実際にというのだ。
「美味しかったしね」
「俺あの時は日本酒飲んでたけれど」
「普段はワインなのね」
「そっち飲んでるんだ」
そうだというのだ。
「今みたいにね」
「ワインの方が身体にいいから」
「それでだよ」
まさにとだ、飲みつつ言うのだった。
「今みたいにね」
「そうなのね」
「プロ野球選手でも」
自分が野球をしていることからだ、達川は話した。
「お酒はワインって人いるしね」
「お身体に気を使って」
「それでね」
「飲んでもワインね」
「監督としては評判悪いけれど」
達川はこう前置きして一華に話した。
「鈴木啓示さんもそうだったんだ」
「あの草魂の」
「あの人身体には気を使っていたから」
練習の虫であってだ、達川の言う通り監督としての評価は悪いが選手としての評価は極めて高かった。
「いつも走って練習していて」
「お身体に気を使っていて」
「ベッドは畳のものにして」
「あの和風の」
「それが腰とかにいいって聞いて」
それでそちらにしたという。
「お酒もね」
「ワインにしたのね」
「最初はビールをかなり飲んでいたのが」
それがというのだ。
「そっちの方がいいって聞いて」
「ワインに切り替えたの」
「そうだったらしいよ」
「そうなのね」
「桑田さんもね」
桑田真澄である、巨人のエースであり頭脳派かつ理論派として知られている。
「あの人お酒はほとんど飲まないそうだけれど」
「そもそも」
「そうだけれど飲む時はね」
その時はというのだ。
「ワインだそうだから」
「あの人もそうなのね」
「やっぱり飲むならワインがね」
「いいのね」
「お酒はね、あと大人になっても俺煙草は吸わないから」
達川はこのことは強く言った。
「絶対にね」
「身体に悪いからね」
「うん、何であんなの吸うか」
眉を顰めさせてこうも言った。
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