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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
五話 少年の心
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クラナは気絶したフリをしただろう。
そして戸惑うように否定の言葉を口にしようとして別の声が割り込んだ。
[あれで怒って居ないと否定するのは少々無理が在りますよ相棒。大人モードだったとは言え女の子怒鳴り付けたんですから]
苦笑調子に言ったアルの一言にクラナが目に見えて慌てる。
「あ、アル……!」
「ほらみろ」
ニヤリと笑ったノーヴェに、クラナは深々と息を付いた。
「じゃあ……何が知りたいんですか」
「おっ、やっと答える気になったか!」
「都合の悪い物以外なら」
「…………」
あくまでも自己防衛の一部は崩す気が無いらしいクラナに、ノーヴェが苦笑する。
[ま、補足が有れば私がお話します!いい加減、相棒の不器用さにもうんざりなので!]
「こいつ……」
「っはは!頼むぜアル!」
このデバイス。なかなかどうして戦闘時以外に全く自重をしない。と言うか真面目な話此処まで主人の意志を無視する事を堂々と宣言するデバイスは世界広しと言えどもこいつくらいなのでは在るまいか。
「じゃ先ず、何であん時あんなにキレたんだ?随分珍しいじゃねぇかお前にしちゃ」
「それは……ちょっと気に入らなくて……」
呟くようにクラナが言うが、あえて言おう。嘘下手すぎである、この少年。
[ダウトです相棒。嘘付く気ならもう少しまともな嘘にして下さい]
「だな。キレる寸前にお前が何て言ったか、あたしは覚えるし」
「ぐっ……」
集中放火である。情け容赦がない。
しかしどちらにせよ、昨晩の戦闘時にクラナは思い切り叫んだのだ。「“俺の妹”を巻き込むな」と。それは普段の彼ならばまず間違いなく言わない言葉であり、同時に、ノーヴェにほんの一片の期待を持たせる言葉でもある。
「……頭に、来たんです。あの子に、彼奴が傷付けられると思ったら……」
「じゃあ、お前やっぱ……」
ノーヴェが戸惑ったような、しかしどこか期待を高めたかのような表情でクラナの方へと身を乗り出す。
「な、何ですか……?」
「わかれよ!お前、本当はヴィヴィオの事、嫌ってねぇんじゃねえのか?」
はっきりと聞かれ、クラナは逆に少し身を引いた。
「そ、それは……」
[嫌ってない所か……]
「アル馬鹿っ……!」
アルがわざとらしく言いかけた言葉をクラナが慌てて止めたが、遅かった。
「嫌ってない所か……なんだ?」
「…………っ」
睨むように詰め寄られ、ノーヴェは更に詰め寄る。逆にクラナは更に下がる。完全に押されている。
アルが、呆れたように言った。
『相棒……いい加減諦めるべきかと』
『アルのせいだろ……!』
低めの声でクラナが怒ったように念話で返すが、アルはしれっと
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