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魔法少女リリカルなのは ViVid ―The White wing―
第一章
五話 少年の心
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れだけでも既にその意義を理解しかねるものだったのだが。

そうして話は、アインハルトの処分へと進み始めた。
まぁ処分と言うと物騒な感じがしないでもないが、今回の場合、相手が格闘家だったからだろうか?野良試合で負けたと言うわけで被害者達も被害届を出していないらしく、局側に路上での戦闘行為等をしない事を確約すれば、特に問題無く解放されるらしい。
そうして……

「そいでクラナは……あたしと少し話しが有る。その後は、ガッコ行けよ」
「……それですけど」
「ん?」
クラナは面白くなさそうに小さく言いだした。

「……今回、こいつに試合提示したの俺なんですけど」
「……ん?あ、あぁ……そういや、そうか?」
「え?そうなの?」
実はそうなのだ。今回の戦闘は、クラナがノーヴェにアインハルトが仕掛けた試合に「割り込む」形で起きた戦闘である。
つまり、明確な言い方をすれば、仕掛けたのはクラナの方なのだ。無論、これは別に大したことではないし、悪い言い方をすれば言いださなければ良いだけの話である。しかし……

「……喧嘩両成敗で、俺も書類書きます」
「クラナお前……」
実を言うと、今回知らなかったとは言え少女であるアインハルトを思いっきり殴り、怒鳴った事、クラナなりに少し後ろめたい部分が有ったのだ。これは所謂、その発散であった。

「ま、いいか。んじゃ、そう言う事にしとくか。お前もそれで良いだろ?」
「あ、はい。ありがとう、ございます……えっと……」
喧嘩両成敗ともなれば、おとがめも軽いだろう。クラナに感謝を伝えようとして、アインハルトは言葉に詰まった。クラナはまだ、彼女に名乗っていないのだ。

「……高町クラナ」
「あ、はい。ありがとうございます。タカマチさん」
「ん」
そう言うと、クラナは再びもぐもぐと食べ始めた。

────

「……で?」
「…………」

さて、出かける前のもろもろの準備の為の数分間、クラナとノーヴェは、先程の部屋で机を挟んで向かい合っていた。
ノーヴェの問いに、クラナがやりづらそうに無言を返す。

「黙るな。きっちり説明しろよ」
「説明って……何を……」
あくまでも惚けるつもりかとノーヴェは呆れたように腕を組むと……

「お前、昨日行動と発言が矛盾してたぞ。妹喧嘩のダシにしたかと思えば、アインハルトがヴィヴィオに手出すって聞いた途端にキレて……」
「あれは、本当に俺がミスをしたらノーヴェさんが捕まえると思ってたから……それに、別に……キレた訳じゃ……」
前者は事実だった。あれは単に挑発の為に行ったのである。そもそも動きの質や魔力の練り方で彼女の錬度は分かった。負けると思っていたら、初めから杏奈勝負は挑んでいないし、もし負けたなら、アインハルトには悪いが
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