第5話「やられたらやり返す、私の好きな言葉です」
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ファーストコンタクトでは展開していなかったシールドを、二度目以降はシールドを展開してきた〈クロイン〉。
そう、厄介な事に〈クロイン〉はシールドを保有している。
流石は宇宙人と評するべきか。
現代ではまだ理論すら無い防御兵装であるシールドを、全ての艦艇に装備している。
やはり、宇宙人は油断ならない存在だ。
「ア〜、ブラボー艦隊ハ戦力ガ少ナイヨウデスガ」
「ふむ…」
確かにと、彼女は頷く。
ブラボー艦隊は戦力が少ない。
戦隊規模の艦隊であり、少なくとも12隻は基本となっている
増強し二度目以降は24〜36隻となったが、この戦いで既に半数以下となってしまった。
このままこの布陣を継続してしまえば、艦隊に穴を開けてしまう恐れがある。
それは何としてでも避けたい。
「艦隊を左右に展開し、敵〈クロイン〉艦隊を2つの方向から叩け」
「ラジャラジャ」
左右に展開させ、敵艦隊の砲火を分散する。
これで〈クロイン〉は、中央と左右から相手取る羽目となる。
シールドは確かに厄介だ。
しかし、”厄介”、なだけだ。
「600m級〈クロイン〉に集中砲火」
シールドは無敵ではないし、限界もある。
〈クロイン〉が展開しているシールドは、WOSのシールドと同一であるのか違うのか、それは定かではない。
だが少なくとも、〈クロイン〉が展開しているシールドは実弾兵装に弱いのは確かだ。
「敵前衛艦隊600m級、シールド完全剥離」
「同600m級、〈クロイン〉ヲ1隻撃沈」
「同ジク、600m級〈クロイン〉ヲ1隻撃沈」
したがって、そのシールドを剥ぎ取れば此方のものだ。
次々と戦果を挙げる中、遂には〈クロイン〉前衛艦隊18隻を全滅させるに至り、更には中衛艦隊16隻の内の半数に加え、600m級〈クロイン〉を全て撃沈した。
しかし、我が艦隊の被害がないわけではなく、大きな被害を貰ってしまった。
数にして、40隻ちょっと。
3分の1ものフリゲート艦が撃沈された他、小破された艦艇も多数あり、決して無視出来ない被害だが、ルビー級防御フリゲートは他と比べて被害は少ない。
残存する〈クロイン〉掃滅はそう時間は掛からない。
そう思った時だ。
観測ステーションから通信が要塞司令部へ入ったのは。
「ギルド長閣下、報告ガアリマス」
「何だ?」
「観測ステーションガ重力波ヲ探知シマシタ」
重力波。
それを聞いた彼女は、重力波の正体を察した。
間違いない。重力波の正体は、……ワープアウト反応。
「5秒後、敵〈クロイン〉艦隊後方にワープアウトシマス」
その報告と同時
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