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夢幻水滸伝
第三百六十話 台風の如くその八

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「勝てへんな」
「左様ですね」
「あちらもすぐに予備戦力を投入してきました」
「それで戦力を拮抗させて」
「そのうえで守っているのですから」
「エリカちゃんはわかってるんや」
 彼女のことも言った。
「実はな」
「守りを固めるべきだと」
「その様にですね」
「最初からおわかりなのですね」
「わいには勝てんってな」
 このことがわかっているというのだ。
「幾ら水軍の特技が多くて指揮能力が高くてもな」
「バイキングであられるホーソーン様にはですね」
「勝てないとですね」
「おわかりなのですね」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「守りに徹しているんや」
「勝てないなら負けなければいい」
「守って」
「そうすればいい」
「そのことがおわかりなのですね」
「流石やな」
 今度はエリカを素直に賞賛した。
「これではな」
「本当に勝てないですね」
「海では」
「海で勝って制海権を得てです」
「そこから攻めたいですが」
「それは難しいですね」
「海戦で勝ったらや」 
 ホーソーンはそれからのことも話した。
「即座に艦隊を移動させてな」
「敵の戦線の後方に上陸してですね」
「そしてそこから敵軍を攻めますね」
「そうしますね」
「そうするが」
 それがというのだ。
「この状況ではな」
「出来ないですね」
「残念ですが」
「これでは」
「ああ、しかしそれは今の話でな」
 今現在の、とぃうのだ。ホーソーンは空から攻める敵の航空隊を艦載機それに対空射撃で防いでいるのを見つつ言った、艦艇の高角砲及び対空銃座が火を噴き弾幕も張っている。
「戦局は常に変わる」
「そうですね」
「では流れが変われば」
「その時にですね」
「攻めますね」
「それは見逃さん」
 戦局の流れをとだ、ホーソーンは強い声で言った。
「絶対にな」
「だからですね」
「まだ戦いますね」
「そうしていきますね」
「そや、このままな」
 こう言ってだった。
 ホーソーンは戦い続けた、それはエリカも同じで。
 水軍の陣を整えたうえでホーソーンの水軍の攻撃を防いでいた、弾幕を張り巧みに艦隊運動を行ってだった。
 攻撃を受けてもだ、すぐに命じていた。
「訓練通りやで」
「消火活動を行い」
「排水も行いますね」
「そして負傷者の救助」
「それを行うのですね」
「落ち着いてやで」
 そうしてというのだ。
「それを行って」
「そうしてですね」
「被害を最低限に抑えますね」
「そうしますね」
「そうするんや、艦載機も被弾しても」 
 そうしてもというのだ。
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