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夢幻水滸伝
第三百六十話 台風の如くその五

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「あれか」
「対空砲もですが」
「高射砲もやは」
「高射砲はそちらに一門もお送りしていませんが」
「いざという時の為にやな」
「置いておきました」
「元々防御用の兵器やしな」
「そうです、対空に」
 それにというのだ。
「もう一つの為に」
「そやな、ほなな」
「はい、ボーム君も来ますが」
 彼もというのだ。
「彼に対しては」
「自分が向かうな」
「切り札のウルリクルミにも」
 この神具にもというのだ。
「向かって」
「そして防ぐな」
「そうします」
「ほな頼むで」
「はい、それでは」
「戦線の左翼とな」
 トウェイン達から見てそちらはというのだ。
「そしてや」
「中央部はですね」
「任せた、防いでもらうで」
「お任せ下さい」
 ヘミングェーは確かな声で応えた、そしてだった。
 西部の軍は東部の軍の攻勢を受けた、すると。
 ヘミングウェーは将兵達に対してだ、こう言った。
「高射砲は対空に用いる以外に水平に放って下さい」
「水平ですか」
「高射砲を、ですか」
「そうして攻撃するのですか」
「そうです、キャノン砲の様に」
 具体的に言うのだった。
「砲撃して下さい」
「そうするのですか」
「敵軍に対して」
「そうするのですか」
「野砲それに臼砲はそのままで」
 その砲撃はというのだ。
「高射砲をです」
「そうして攻撃しますか」
「水平ですか」
「それで放ちますか」
「そうして下さい、そして術は」
 ヘミングウェーはこちらの話をした。
「広範囲か遠距離のものを集中的にです」
「用いてですか」
「そうして戦いますか」
「そうしますか」
「この度は」
 こう言ってその様に攻撃させた、すると。
「なっ、高射砲を水平だと!?」
「こんな攻撃があるのか」
「かなりの威力だぞ」
「一発で戦車が吹き飛んだぞ」
 高射砲の直撃を受けた戦車の動きがそれで止まった、それで大爆発を起こした。
「装甲車もだ」
「歩兵への威力も高い」
「まとめて吹き飛ばされる」
「これは強いぞ」
「しかも術の使い方もかなりだ」
 こちらのことも話された。
「広い範囲に放ってくる」
「毒霧等を」
「これは強い」
「容易に進めないぞ」
「そうですね、流石です」
 指揮を執るボームも言った。
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