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夢幻水滸伝
第三百六十話 台風の如くその一

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                第三百六十話  台風の如く
 トウェインはこの日もメルヴィル達の陣地の左翼、沿岸部を攻めていた。そこに用いられるだけの戦力を集結させてだった。
 攻めていた、トウェインは陣頭指揮を執りつつ戦局を見て言った。
「地形もさることながら」
「メルヴィルさん達も戦力を集結させてきて」
「即座にな」 
 隣にいたミニーに応えて言った。
「そうしてきてな」
「容易にはですね」
「攻め切れへんわ」
「そうですね」
「敵の後方に空挺部隊を送ろうにもな」 
 作戦計画通りにというのだ。
「それもな」
「空の守りも堅固なので」
「おいそれとはな」
「出来へんですね」
「敵もさるものや」
 トウェインはあらためて言った。
「こっちが攻めて来たらな」
「対してきますね」
「それも迅速かつ確実にな」
「そうですね」 
 ミニーも確かにと頷いた。
「流石メルヴィルさんですね」
「あいつが敵の総司令官やなかったらな」
「今頃敵の左翼を突破出来ていますね」
「そして空挺作戦に移れたわ」
 こちらの考え通りにというのだ。
「そして戦の趨勢を決められたわ」
「そうですね」
「しかしな」 
 それがというのだ。
「敵にメルヴィルがおる」
「それも棟梁、総司令官として」
「それでや」 
 その為にというのだ。
「こうしてな」
「互角の戦になってますね」
「わいがもう少し優秀やったら」
 トウェインは今度は歯噛みして言った。
「勝てたんやが」
「いえ、そうしたことはです」 
 ホイットマンが言ってきた、彼も今トウェインの傍にいるのだ。
「言ってもです」
「意味ないな」
「はい、今はどうするか」
「それが問題やな」
「そうです、能力の優劣やなく」
「どうするかやな」
「そうです」
 こう言うのだった。
「大事なんは」
「そやな」
 トウェインはホイットマンのその言葉に頷いた、そして歯噛みしていた顔を確かなものにさせて戦場を見据えて言った。
「ほなこのままや」
「攻めていきますね」
「そうしてな」 
 そのうえでというのだ。
「これからどないするかやが」
「今は互角ですが」
「その互角の状況を少しでもな」
「改善しますね」
「ここは予備戦力を投入するわ」
 そうするというのだった。
「この左翼にな」
「そうされますか」
「そや、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「攻勢の手を強める」
「そうしますか」
「それも迅速にや、空いてる車両も馬も全部使ってな」
「予備戦力を迅速に移動させて」
「そしてな」
 そのうえでというのだ。
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