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金木犀の許嫁
第二十九話 質素な充実その七

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「人生の経験ね」
「それで決まるわね」
「ええ、けれど私達はまだ若いわね」
「十代だからね」
 夜空もそれはわかっていて頷いた。
「そうよね」
「そう、もうそれはね」
「これからのことね」
「どんどんね」
「経験を積めばいいわね」
「そうしたらね」
「そうしたこともわかってくるわね」 
 こう姉に答えた。
「やっぱり」
「そう、だからね」
 それでとだ、真昼はこう返した。
「その辺りはね」
「経験ね」
「これからのことよ」
「そうなるわね」
「経験から学ぶのはいいことよ」
 真昼はきっぱりと言い切った。
「馬鹿な人は敬虔から学んで自分は頭がいいから歴史に学ぶ」
「そんなこと言った人いるの」
「ビスマルクさんね」
「あのドイツの」
「そう、首相だった」
「物凄い人よね」
「あの人が言ったことだけれど」
 それでもというのだ。
「けれど経験から学んでもね」
「いいわね」
「この人毒舌家だったから」
 人物への批評も辛口で知られている、しかし狂王と呼ばれたバイエルン王ルードヴィヒ二世には終始高評価で彼によく思われておらずとも親身な助言を欠かさなかった。
「そう言ったけれど実際はね」
「経験から学んでも」
「いいのよ」
「そうよね」
「むしろね」
「経験からよね」
「どんどんね」
 こう妹そして白華に話した。
「沢山のことを経験して」
「学ぶことね」
「本当に馬鹿な人は何からも学べばいわ」
 そうだというのだ。
「そうしたらいいのよ」
「そういうことね」
「そうよ、だから私達はね」
「どんどん経験を積むことね」
「それでお金の使い方もね」
 それもというのだ。
「わかっていくことよ」
「そうなのね」
「天才って言われる人でも」
「経験から学ぶのね」
「ベートーベンさんなんか何度失敗だと思って曲を作り直したか」
 モーツァルトと並び称される彼はというのだ。
「その失敗の果てにね」
「あれだけ沢山の音楽を残したのね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「あの人もね」
「そうなのね」
「だから経験はね」
「積むことね」
「そのビスマルクさんだって経験があったから」
 人生のそれがだ。
「凄くなれたのよ」
「鉄血宰相に」
「学生時代二十何回も決闘をしたり」
 その全てに勝ってきている。
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