第百六十九話
[8]前話 [2]次話
第百六十九話 小田切君の下着
小田切君はこの時研究所の庭で洗濯ものを干していた、するとその様子を見ていたライゾウとタロが言ってきた。
「小田切君も博士も下着トランクスだな」
「そっちだね」
「最近ボクサー多いのにな」
「二人共トランクスだね」
「楽なんだよ」
小田切君は二匹の顔を向けて話した。
「トランクスだと」
「ああ、ゆったりしてか」
「それでだね」
「うん、ボクサーもいいけれど」
それでもというのだ。
「いつもぴっしりとしていると」
「どうもか」
「抵抗あるんだ」
「それじゃあブリーフも駄目か」
「あの下着減ってるけれど」
「ブリーフはないよ」
二匹にそれは絶対にと返した。
「僕も博士もね」
「その下着は駄目か」
「ブリーフは」
「博士は出た頃から好きじゃなくて」
ブリーフがこの世に出た頃からというのだ。
「今もね」
「トランクスか」
「そっちの下着なんだ」
「博士は何となく嫌いだったらしいんだ」
「ブリーフは最初からか」
「そうなんだ」
「特に白がね」
この色のブリーフがというのだ。
「嫌らしいよ、それで僕もね」
「ブリーフは趣味じゃなくてか」
「トランクスなんだね」
「ボクサーでなくてね」
この下着でもなくというのだ。
「トランクスだよ」
「そうか、しかし博士ってな」
「昔は褌だったんだよね」
「そんなこと言ってたな」
「昔はね」
「うん、それが戦争が終わってから」
第二次世界大戦がというのだ。
「ふといいかなって思って」
「それで試しに穿いてか」
「気に入ったんだ」
「それで今もね」
二十一世紀になってもというのだ。
「トランクスなんだよ」
「下着にも歴史ありだな」
「そうだね」
二匹は小田切君の話を聞いて頷いた、そのうえで彼が下着も干していく様子を見守っていくのだった。
第百六十九話 完
2024・5・26
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ