第六話
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くしていた。
(雰囲気が変わった……あの外来人……なにか変な感じがする……)
目の前の少年は外来人とは思えない気迫を放ってくる。見かけ倒しにも見えるが、それにしては気迫の濃さが濃すぎる気がしていた。
内心戸惑いながらも警戒を解かない妖夢。命令をきちんと聞く忠実な彼女に感心しながらも、俊司は静かに溜息をついていた。
「妖夢さんも大変ですね……」
外の世界で覚えていた彼女の名前を呟くように言うと、目の前の少女は目を見開いて驚いていた。
「なんで私の名を!」
「まあいろいろあるんですよ……はぁ」
説明がめんどくさい俊司は溜息でごまかす。しかしその溜息が妖夢の不信感をかうことになってしまった。
「くっ……なら切ってみるまで! はあっ!」
妖夢は刀を握り直すと、一気に距離を詰めて俊司の胴体を切り裂こうとする。これだけ速度を出していれば外来人の少年に避けられるはずがない。
しかしただの外来人なんかを紫が連れてくるはずがなかった。
(これでもらっ……)
「これって横切りだよね?」
「なっ!?」
俊司は妖夢の攻撃に動じる様子もなく、軽くバックステップをして攻撃をかわそうとする。すると俊司の体は楼観剣の刃先をそうようにして軌道から外れ、妖夢の攻撃は大きく空を切った。
(外来人なのに……これをよけるんですか……?)
外来人の人間とは思えない反応速度に度肝を抜かれた妖夢。それに攻撃を避けた俊司は顔色一つ変えていない。まるで当然のことだと言わんばかりだ。
しかし俊司自身はそう思ってはいないようだった。
(あっぶね〜ギリギリだ。相手が油断してるから避けれたけど本気だったら……あとは、瞬発力と思考がどれだけもつか……)
俊司は妖夢の急激な加速に反応できていたわけではなかった。一瞬反応が遅れ避けきれないと判断した彼は、彼女がどう攻撃するかを言葉にすることで振る速度を少し遅くさせたのだ。結果刃先すれすれではあったが攻撃を避けることができ、相手の動揺も招く事が出来た。
「まだまだ!」
妖夢は動揺する自分を無理やり冷静にさせると、再び俊司に攻撃を加える。しかし俊司はまるで攻撃パターンが分かってるかのように攻撃を避け続けた。まあ当の本人は妖夢の足の動きを見て勘で避けているだけなのだが。
そんな中紫はこの状況を真剣な顔つきで見ていた。
「文! 私たちも戦うわよ!」
「待ってました霊夢さん! では、いきますよ!」
「待ちなさい二人とも」
妖夢の加勢をしに行こうとした二人を、紫はその一言でひきとめた。
「待てって……相手は外来人よ? なにをためらう必要なんて……」
「私はいつあの外来人は敵だって言ったかしら?」
確かに紫は俊司の事を外来人の敵だとは言っていない。ただ妖夢に切れと言っただけだ。言いかえれば殺すなとも言
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