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『外伝:紫』崩壊した世界で紫式部が来てくれたけどなにか違う
守るあたしは、窮地に陥る
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ちらに向ける手のひら。
そこからもまた赤い棘が伸びてくる。
けど、
「それ…血≠セな…!!」
やられるままじゃない…!
音速にも近い速度で迫る棘に対してあたしは拳を握る。
気を操作し、全神経を集中させ、
「なら、流せる=I!」
棘に向かい、拳を連続でぶつけた。
砕ける棘。
そして
「ぐおぉ!?」
パン!という破裂音
離れているミッツが突然しゃがみこむ。
そうして彼を中心に、血溜まりがじわじわと広がっていった
「ち、ちんこ…いてぇっ。俺のFIM-92、スティンガーが…っ!!」
「気を流した。もうアンタのソレ、使い物になんないよ。」
あたしの方に伸びた赤い棘は二本。
腕から生やしたものと、股間から生やしたもの。
赤い棘の正体は血だと推測したあたしは賭けに出て、その伸びゆく棘を殴りつけた。
気を操作して倍増された衝撃は液体、もとい血液を伝わる。
そうしてダメージが本体へと伝播したんだ。
棘の根元、つまり腕と股間は勿論無事じゃ済まない。
「くそ…くそぉ…これじゃ血尿漏らしたみてぇじゃねぇか…!」
パンという破裂音はダメージが伝わり、血管が丸ごと破裂したもの。
腕からは血がしたたり、ズボンも血で真っ赤に染まっていた。
それでも彼は腕を抑えながらヨロヨロと立ち上がる。
でも、
「…!!」
次の手なんて出させない。
いや、考えさせもしない。
隙だらけの懐に飛び込み、今度こそその鳩尾に拳を食い込ませる。
「ぐげ…ぇっ!?」
空気が無理矢理絞り出され、さらに隙が生まれる。
顔、腹、次々にラッシュを叩き込む。
当然、全ての一撃に気を乗せて威力は強化してある。
殴り、殴り、殴りつける。
よろりと倒れそうになろうものなら胸ぐらを掴んで強引に引き寄せ、また殴る。
早いとこコイツを倒して、香子の援護に行かないと…!
「…っ!」
「やっぱりキャスタークラスだもんねぇ。こういう真正面からの戦いはめっぽう弱いカンジ?」
ちらりと横に目をやれば明らかに劣勢の香子。
ジャック・ド・モレーを名乗る女性サーヴァントはあたかも余裕そうに香子を追い詰めていた。
「!!」
不意に何かを感じ、身をかがめる。
直後、空気を裂いて頭上を通り抜けていく何か。
弾丸だ。
「あおうっ!?」
あたしに当たるはずだった弾丸はミッツに命中。
後ろを見るとそこには、やつの仲間の黒マスクの姿が。
「きんもっ……よけんなよ。」
その手には硝煙の立ち上る銃。
続けざまに撃つが、咄嗟にあたしはミッツを引き寄せ、盾にする。
「ぐ、ぐわーッ!!リキヤ!やめてくれ!!俺人質に取られてる!!撃たれてる!!死ぬ!!死
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