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八条学園騒動記
第七百六十三話 餓鬼の姿その六

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「忠告や諫言ではなく」
「ただのあら捜しでか」
「言いがかりなのね」
「言って自分は言っている相手より偉い」
 ダンも言った。
「そんな風だとな」
「言う相手の人のためにもなりませんね」
「やがて言われる人も気付いてだ」
「そういうものでしかないと」
「やがて聞かなくなる」
「はい」 
 セーラもまさにと答えた。
「そうなります」
「内心相手にしなくなるな」
「自分は偉いと思っていても」
「馬鹿にされるな」
「そうした人は馬鹿にされることが大嫌いです」
 セーラは言い切った。
「否定されることも」
「肯定されてか」
「尊敬されることをです」
「望んでいるか」
「そうしたものだけを」
「だけ、か」
「はい」
 まさにというのだ。
「実情は見ずに」
「自分のだな」
「ただひたすらです」
「尊敬されたいか」
「そして尊敬されたいです」
「だから馬鹿にされるとか」
「腹立たしく思い」
 そうしてというのだ。
「怒ります」
「自分に問題はあるとはか」
「微塵もです」
 それこそというのだ。
「思いません」
「そうなのだな」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「肯定されることをです」
「自分は偉いとか」
「そして偉いからこそです」
「尊敬されることをか」
「望んでいて否定してです」
 肯定とは逆にというのだ。
「馬鹿にするなら」
「怒ってか」
「聞きません」
「それじゃああれね」 
 エイミーはここまで聞いてこう言った。
「ガキね」
「餓鬼ではなくですね」
「どうしようもないね」
 そう言っていいというのだ。
「屑ガキじゃない」
「そう言うべき存在ですか」
「ええ、五十とかにもなって」
「そうでした」
「それならね」
 最早というのだ。
「ガキじゃない」
「幾つになろうとも」
「ええ、本当に人生何をやってきたか」 
 それこそというのだ、エイミーは餓鬼の写真を観つつ言った、そこにあるこれ以上はないまでの否定すべきものをだ。
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