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八条学園騒動記
第七百六十三話 餓鬼の姿その二

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「教会等に住み込みで」
「用意してもらっていたか」
「お風呂も入らせてもらって」 
 そうであってというのだ。
「服もあったのにです」
「感謝しなかったか」
「全く、そのことをです」
「今もか」
「反省しておらず」
「どうせ怨んでいるな」
「そうしています」
 実際にというのだ。
「自分をよくしてくれなかったと」
「衣食住もらってもか」
「無料で」
「それでもか」
「感謝せず反省もです」
「浅ましく生きているか」
「餓鬼道には何もありません」
 見れば写真でも荒野である。
「草木も生きものも」
「それで食うものもか」
「お水すらないのです」
「そんな世界か」
「そしてその世界でも」
「反省しないか」
「怨んでいます、この世で最も偉い自分をよく遇しなかったと」
 その様にというのだ。
「怨んでいます」
「かなりよくしてもらったと思うが」
「感謝の気持ちがないので」
 そうした輩だからだというのだ。
「ですから」
「そう考えるか」
「はい」 
 そうだというのだ。
「今も。そして反省もです」
「しないからか」
「今もです」
「浅ましいままか」
「そうなのです」
「この無様な有様になってもか」
「変わりません、餓鬼になるからには」
 そうなるからにはというのだ。
「それなり以上にです」
「酷いものが備わっているか」
「はい、そして」
 そうであってというのだ。
「他の餓鬼もです」
「こんなものか」
「そうなのです」
「屑の中の屑がなるか」
 ダンは忌々し気に言った。
「そうなんだな」
「そうなります」
 セーラも否定しなかった。
「まさに」
「俺達の言葉で言うとか」
「人の最低限の床をです」
「ぶち抜いてか」
「心が餓鬼道に堕ちてこそ」
「なるものでか」
「人として持っているべきものはです」
 それはというと。
「この人の人生を聞いてわかりますね」
「本当にないな」
「怠惰、憤怒、大食、傲慢、強欲とです」
「キリスト教の七つの大罪だな」
「そして嫉妬もです」
「あったのか」
「他の人が成功しても」
 そうしてもというのだ。
「喜んだりせず何処が悪いすぐに終わる終わっただの」
「そう言ってばかりだったな」
 ダンも言われて頷いた。
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