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ハッピークローバー
第百三十七話 閉会式が終わってその十二

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「人に言うものじゃないけれどな」
「それで済んだら」
「もうな」
「それでいいわね」
「そうだろ、それで恥ずかしいからな」
 鳴海はこのことを強調した。
「言わないからな」
「その時私を想像するとか」
「いや、そういう話は絶対に駄目だろ」
 鳴海は今飲んでいた酒を吹き出しそうになってかな恵に言い返した、野菜やハムをつまみにして飲んでいたのだ。
「誰をどうしてとか」
「想像してたとか」
「絶対にな」 
 それこそというのだ。
「言うものじゃないだろ」
「想像は自由ね」
「かな恵だって言えないだろ」
「ちょっとね」
「相手が誰でな」
「どんな風か」
「もうそれはいいだろ、まして誰とどうなってもな」
 鳴海はさらに言った。
「そうしたことならな」
「頭の中でだし」
「実際に浮気じゃないよな」
「頭の中で自分だけでだと」
「それならいいだろ」
 こう言うのだった。
「別に、こういう話もうするなよ」
「お互い言えないし」
「誰でもな」
「鳴海っち以外に言えないけれど」
「じゃあ俺にもだよ」
「言わないことね」
「今度言ったら言うなって言うからな」
 その時はというのだ。
「それでその話しないからな」
「そうするのね」
「ああ、かな恵も聞かれたくないよな」
「それはね」 
 かな恵も確かにと頷いた。
「とても言えないし」
「人の嫌な話はしたらな」
「やっぱり駄目ね」
「そうだよ、そだからな」
「もうこのお話はこれからは」
「二度とな」 
 絶対にという言葉だった。
「言うなよ」
「そうするわね」
「ああ、それでだけれどな」
 鳴海は今度はポテトチップスを食べつつかな恵に言った。
「飲み終わって家に帰る時な」
「送ってくれるのね」
「ああ、そうするからな」
 だからだというのだ。
「言ってくれよ」
「鳴海っちも帰る時気を付けてね」 
 かな恵は彼もと言った。
「やっぱり飲んでると足元がね」
「ふらついてあまり見ない様になるからな」
「階段でこけたりしたら」
 団地のというのだ。
「危ないから」
「下手したら死ぬしな」
「だからね」 
 それでというのだ。
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