第1話「どういう状況だ、これは…!?」
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さらばだ、WOSよ。
……あ、でもやっぱり嫌だー!!
時計と共に流れる時を数える。幻想の終わりを――
ブラックアウトし――
0:00:00……1、2、3
WOSよりブラックアウトした彼女は慣れた手つきで、WOSに入る為に現実世界で被っていたヘッドセットとブラグを取ろうとする。
「……ん?」
女性は違和感を感じた。
おかしい、ヘッドセットを被っている筈なのだが、ヘッドセットを被ってる感が全く以って感じられない。
女性は目を開ける。
見慣れた現実世界にある私の部屋では無い、此処は先程からも居たWOSゲームの要塞司令部。
「……どういうことだ?」
時間は確かに正確の筈、いや間違いなく正解だ。
サーバーダウンによる強制ログアウトされている筈が、いったい…。
時計を確認する。
0:01:18
サービス終了時間をとうに過ぎている。
そして時計のシステム上、表示されている時間が狂っているはずが無い。
女性は困惑しながらも、何か情報は無いかと辺りをうかがう。
だが先ほどから、自分が目を閉じた時から何も変わっていない、要塞司令部だ。
「サーバーダウンが延期した?」
考えられることだろう。
何らかの要因によってサーバーのダウンが延期しているのだ。
もしそうならGMが何かを言っている可能性がある。女性は先程まで呪うと強く思っていた相手、運営へ連絡を取ろうとするが……運営へ連絡が取れる筈のシステムコマンド、GMコールが一切出ない。
「は……?」
システムコマンドだけではない。本来なら浮かんでいるはずのシステム一覧が出ていない。女性は慌てて他の機能を呼び出そうとする。
シャウト、GMコール、システム強制終了入力、etc…。どれも感触が無い。
まるで完全にシステムから除外されたようだ。
「な、なるほどな〜……っで納得して堪るかっ!どういうことだ!?」
女性の怒号が広い司令部の間に響き、そして消えていく。
そもそも何故私は声を出させるんだっ、声出せない筈だろう?!
落ち着け、落ち着くんだ私、深呼吸深呼吸だ。
す〜は〜、す〜は〜…よしではないがとりあえずよし。
何なんだこの状況は?
疑問が沸々と湧き上がってくるが、一つの結論に達することで女性は納得した。
そうか、これは夢なんだ。
一度としてゲーム内で経験したことのないシチュエーションで、一度としてゲーム内で聞いたことのない声で発している私。
「声だけで判断するのは早い、夢であるならば痛覚なんて感じる筈が、…痛かった」
痛覚まで感じてしまった。
いや、痛覚どころか自分の声も
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