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金木犀の許嫁
第二十九話 質素な充実その一

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                第二十九話  質素な充実
 真昼は夜空それに白華と共にいながらさらに話した。
「別に贅沢しなくてもね」
「いい生活は出来ますね」
「そんな宝石とか外車とかね」
「そういうものがなくても」
「普通にね」
 こう言うのだった。
「いい生活はね」
「出来ますね」
「食べものは」 
 それはというと、
「美味しくてお腹一杯食べられたら」
「それで充分ですね」
「お家も快適で」
「服もですね」
「それなりでお洒落出来て冬暖かくてね」
「夏涼しいなら」
「それでね」
 そうした条件が揃えばというのだ。
「いいでしょ」
「贅沢しなくてもいい暮らしは出来ますね」
「そうでしょ」
「そうですね」
 白華も確かにと頷いた、そのうえで言った。
「むしろ私達は恵まれてますね」
「そう思うわよね」
「快適と言っていいです」 
 今の生活はというのだ。
「神戸でも」
「いいお屋敷よね」
「確かに冬は寒くて雪も積もりますが」
 そうであるがというのだ。
「それでもです」
「快適よね、あのお屋敷」
「はい」
 真昼にまさにと答えた。
「本当に」
「そうよね、だったらね」
「それでいいですね」
「むしろ恵まれてるわね」
「私達は」
「だったらね」
 それならというのだ。
「今の生活に満足して」
「そうしてですね」
「暮らしていけばね」
 そうすればというのだ。
「いいわ」
「そうですね」
「そうよね、今の状況でね」
 夜空も言った。
「充分で無駄遣いもね」
「しなくていいですね」
「そう思うわ」
 こう白華に言った。
「私もね」
「そうですね」
「それでお買いものもね」
「そちらもですね」
「特にね」
「無駄遣いしないで」
 そうしてというのだ。
「置いておくのよ」
「そうですね」
「そういえば薩摩藩ってかなり貧乏だったのよね」
「お侍さん達は」
「西郷さんも大久保さんも」
 西郷隆盛と大久保利通である、幕末それに維新で活躍したことであまりにも有名な二人の英傑である。
「かなりね」
「貧乏でしたね」
「黒田さんも」 
 黒田清隆である、第二代総理大臣であり西郷と大久保に重用され頭角を表した。
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