第14話:まともな名君が足りない……
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じゃ?」
「未だに町から脱出出来ておりません。それどころかカイジンニキス港国が戒厳令を強いて民衆の外出が禁じられています」
敵が目の前にいるのにか?
いや……待てよ?
「元老院は既に、エイジオブ帝国と手を組んでいる」
豊臣秀吉の予想に対し、ムソーウ王国側の兵士達が首を傾げている。
「それでは話が違います。エイジオブ帝国がカイジンニキス港国の安全を保障しているのであれば、何故戦場に民衆がおるのですか?しかも大勢」
「お前は甘いな」
「と、申しますと?」
「エイジオブ帝国が組んでいるのは、カイジンニキス港国ではなく元老院だ。恐らく、今回の戦にエイジオブ帝国が勝利すれば、カイジンニキス港国の元老院の生命と地位を保障する」
「な!?」
「つまり、最初から筋書きが出来ておったと言う訳よ」
ムソーウ王国の兵士達が怒りで震えていた。
豊臣秀吉から見れば『甘い』のだが、その甘さがムソーウ王国の良い所なのだろう……
で、民衆の避難が大幅に遅れている街の1つに案内されたが、そこでは、避難の準備をしている民衆に対して兵士達が帰宅を強制していた。
「何をしている!?早く家に帰らぬか!」
「あの馬鹿デカい船がもう直ぐここを攻撃するって、ムソーウ王国の兵士達が―――」
「その様な話は聴くな!お前達はさっさと帰宅して、ずーと家に引き篭もれ!」
「本当にあの馬鹿デカい船がこの街を攻撃しないと言う保証は有るのかよ!?」
話は完全に一方通行である。
寧ろ、邪魔である。
「逃がしてやれ。寧ろさっさと逃げてくれ」
その時、兵士達のリーダー格が私の顔を見て少し蒼褪めた。
それに対し、民衆達は豊臣秀吉に向かって津波の様な質問攻めにした。
とは言え、言ってる事はただ1つ……どうやったら自分達は助かるのかである。
ならば、カイジンニキス港国の兵士に対する最初の質問はこれだ。
「で、例のエイジオブ帝国ご自慢の巨大戦艦と戦う上で、避難せずに家に引き籠ってる民衆がどう役に立つと言うのだ?」
その途端、兵士達は首を傾げながら仲間と話し合い始めた。
ただし、リーダー格だけは御怒り気味に怒鳴った。
「五月蠅い!お前達はただ、国民の帰宅と外出禁止を徹底させれば良いだけだ!」
「で、理由は?」
「そんな事はどうでも良い!」
「良くない。理由も無しに家に引き籠れと言われても、民衆は納得せんぞ」
こいつ……舌戦下手だなぁー。
言い訳の1つでも考えておけよ。
なら、ちょっと先手を打ってみるか。
「我々ムソーウ王国がお前達の避難の催促をした理由についてだが、お恥ずかしい事に、今の我々は君達を護りながらあの巨大戦艦と戦う力は無い。ならば、戦う力無い者にここに残られるより、急ぎ安全な場所に避難してくれた方が戦い易いと考えた次第
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