第14話:まともな名君が足りない……
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か?」
……豊臣秀吉は考え過ぎたかな?
なら……もうこの男と話す事は何も無い。
「失礼したな。私は国に戻る。とは言え、君の言う糞国じゃなくてな」
そう言って豊臣秀吉は山賊頭に背を向けたが、1つだけ訊き忘れておった事があった。
「そう言えば、名は?」
「……ノブナ」
ノブナ!?
……まさかね。
「その名、忘れぬぞ」
結局、鉄砲の存在を知る山賊を仲間に加える事は出来なかったが、得る物は多かった。
と言うか、ムソーウ王国の常識に飲まれ過ぎて、自分を見失っていたらしい。
それが判っただけでも儲けものだ。
オラウが去った後、部下がノブナに訊ねた。
「信長様、もしかして?」
ノブナは笑顔で答えた。
「だな。あ奴は秀吉だ。まさか、アイツまでこの糞国で人生2周目をしておったとは……よほど天は元老院の糞共がお嫌いと視える」
そう。
オラウの最初の予想通り、ノブナは織田信長の生まれ変わりだった。
だが、ノブナはそれを悟られない様に道化を装っていたのだ。多少のヒントを混ぜながら。
「だが、秀吉の奴、大殿の中身が何者かをすっかり忘れておる様ですぞ」
「それはどうかな?秀吉めの顔、最初と最後でまるで別人だった。まるで憑き物が落ちたかの様にな」
それよりも、ノブナ率いる山賊も実際は進退窮まれりの状態であった。
「……さて、で、あの元老院の糞共はあの船に対して何をしておる?」
ノブナの質問に対し、部下達は呆れながら答えた。
「先程の信長様と秀吉様の会話通りです。カイジンニキス港国元老院めは、ムソーウ王国とエイジオブ帝国、どっちが勝っても自分が得する為の外交策に尽力するのみです」
それを聴いたナブナがつまらなそうに質問する。
「で、この糞国に暮らす民草の反応は?」
対する部下も残念そうに告げた。
「申されませぬ。ただ、何も聞かされぬままあの船に翻弄されているのみ」
「何も聞かされていない?」
それが何を意味しているのかを、前世の頃から知っている山賊達は驚いた。
「やはり……あの糞共の将の器は無かったな。なら……」
その途端、ノブナが率いる山賊達が冷や汗を掻いた。
「カイジンニキス港国元老院も、大殿に企まれちゃ気の毒なものですな」
結局、ノブナをこちらに引き摺り込めなかった豊臣秀吉は、例の水源との戦いに備えて出張っているムソーウ王国の兵士達と合流するが、
「オラウ様!よい所へ」
「ん?どうかしたのか?」
「サカシラ様があの島との戦いに備えて民衆を安全な場所に避難させよと命じましたが、カイジンニキス港国の兵士達がそれに賛同してくれず―――」
何じゃこれは!?
これでは、あのノブナの言った通りではないか!
「で、まだ避難しておらん民衆はどこ
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