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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
激闘編
第九十四話 下準備 T
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いたか、嘘の経歴がバレると恐れたか…。
「…お陰様で帝国が時代より栄えていますよ。人も増えました。おそらく閣下の知っている頃のクラインゲルトとは全く様変わりしていると思います」
「そうですか。叛乱…同盟軍の統治は行き届いている様ですね」
「はい。母をちゃんと病院に通わせる事が出来る様になりました。給料もちゃんと貰えるし有難い事だらけですよ」
そう言うとデッケンと名乗る男は初めて笑顔を見せた。男の言う事は本当なのだろう。
「それはよかった。デッケンさん、改めて聞きます、目的は何ですか。敵であっても貴方は民間人だ、私の上官からも民間人の拘束は禁じられています。私は本当の事が知りたいのです、同郷の誼だ、教えてはいただけませんか」
デッケンと名乗った男は暫く下を向いて考えていたが、意を決したのだろう、緊張した顔で話し始めた。
「同胞を…今は敵味方ですが、同胞を救う為です」

 「閣下、宜しいのですか、放免してしまっても」
「構わん。独航の商船では何も出来ぬし、たとえ敵性分子でもあの男は民間人だ。ミューゼル閣下からも非戦闘員を無闇に捕らえるなと言われている」
「ですが、あの男は明らかに軍人ですよ」
「だろうな。ルドルフ大帝が『劣悪遺伝子排除法』を発布された結果、有色人種は流刑地に流されたかして帝国領域から居なくなってしまったからな」
「では…」
「独航の商船では何程の事も出来んし、あの男の任務も本当に糧食品の輸送だろう。拿捕された時の事を考慮して他の任務は与えられていないと考えるべきだ。下手に拘束しては次が来なくなるとは思わないか?」
「成程、敢えて泳がすと…」
「そうだ。それに、あの態度を見ただろう?敵中囚われているにも関わらず、毅然とした見事な態度だった。帝国軍は勇者を遇する方法を知らぬと思われても嫌なのでな」


 ”同胞を助ける為、罪滅ぼしだと?”

「はい。同盟に属した後のアムリッツァは、帝国時代より数段栄えている、以前の様に暮らしに困る事はなくなった。であれば以前のアムリッツァの様に日々の生活に困っている帝国辺境の同胞に援助の手を差し伸べるのは当然だと。それが同盟に降ってしまった我々の、帝国に対する罪滅ぼしだと。クラインゲルト氏からの依頼によって援助が行われている様です。この事は叛乱軍は黙認している、と尋問した商船の船長は申しておりました。実際に他の商船にも武器弾薬、危険物の類いは積載されておりませんでした」

”首肯出来る部分と、出来かねる部分があるな“

「はい。それに民間人を装ってはおりますが、尋問した船長は叛乱軍の軍人か、叛乱軍に所属している者で間違いありません」

”ほう…何故だ?“

「黒人でした。有色人種は帝国領域には居りません」

”…そうか、そうだな“

「もう少し調査を進
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