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ある白猫の生涯
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 何日か後に、外に出て行って辺りを散歩していると あの黒猫だ。離れたところから近づいて来るのがわかった。向こうは気付かない振りをしているけど、確実に気づいているはずだ。俺も 気付かない振りをして、道の反対側を歩いて行ったのだが 徐々に間が縮まっていって もう 気付かない振りなんか出来ない距離の時 お互いが睨み合っていた。

 向こうは、威圧しているつもりなのだろう だけど 俺も今は負けないつもりだった。立派な飼い猫なのだ。お前なんかに負けるもんかー。

「なんだぁ 文句あるんか! ウロウロすんじゃぁ無いって言ったろぉー この若造がー」と、威圧してきた。

『俺は ここんち家族になったんだ だから この辺りは俺の縄張だ お前のほうこそウロウロするな!』

「なに いきがってるんだ 弱ちぃくせにー やられたいんかぁー さっさと失せろよ」

 その時、俺はダッシュして跳んで相手の脳天に一撃を、そして右の手で相手の耳に二発目を喰らわせていた。あいつは反撃してきたが空振りでそのまま慌てて逃げて行った。俺の初陣で完全勝利だった。自分でもなかなか出来るんだと思って、そうかぁー 俺は左手のほうが伸びるんだと自覚していたのだ。

 その後は、辺りを散歩しながら縄張を決めていて、電信柱のカラスにも『ここは 俺の縄張だからな』と、勝手にアピールしていたのだ。あいつの縄張と重なっている所もあるんだろうけど、また やっつけてやると決めていた。散歩していると 獣臭がするところもあって、おそらく イタチやモグラなんだろう。特に、ご主人様の家庭菜園にはイタチの臭いが強い。多分 埋めた生ごみなんかを掘り返されているのだろう。

『夜中の見廻りも必要だな それが俺の役目なんだろう 拾ってもらった恩返しだ』と、自分の立場も理解し始めていたのだ。

その日の夜。ご主人様が帰って来て、一人で遅めのご飯を食べていた。子供達はそれぞれの部屋にこもっている。有難いことにここの子供達は俺にはそんなに興味が無いみたいなのだ。俺が可愛げのない猫だからかも知れない。でも、女の子の方は時々構ってくれる。俺は少し離れたところで眺めていると

「ほい 岩 肉好きだろう」と、かけらを投げてきていた。

『うぅー いい匂いだ たまらん』と、喰らいついていると

「そうか うまいだろう? じゃぁ こっちは?」と、得体の知れない物・・たぶん 肉じゃぁない。でも 肉の臭いも付いているし柔らかいから食べてしまっていた。

「ほぉー 人参も食べるんかー そうだ お前だって 健康の為 野菜ものも食べような!」と、勝手なことを言っていてビールを飲んでいる。

 お母さんがお風呂上りなのだろう部屋に入ってきたら

「おい 岩が人参食べたぞー 好きなんかなー」と、

『おい おい 
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