第七十六話 大天使その六
[8]前話 [2]次話
「碌なもんでもなくてそこにや」
「悪意を見せたらな」
「最悪や、そしてな」
「そして?」
「お金は寂しがりでな」
俗にそう言う人がいる、だからある人のところに集まるというのだ。貯金をはじめて節約するとどんどん貯まるのもこの世にこの節理があるからだろうか。
「善意とか悪意もな」
「寂しがりやな」
「いいことしたらな」
その時はというと。
「ええもんが来てな」
「悪いことするとやな」
「悪いもんが来る」
「因果応報か」
「そやな、歴史でもな」
施がここで言ってきた。
「史記なんか読んでるとわかるわ」
「その時にやな」
「悪意を以てな」
「悪いことばかりしてるとやな」
「もうな」
それこそというのだ。
「報いを受けるしな」
「何時かな」
「悪いモンも来るんや」
「そやな」
「李斯は韓非を裏切ってな」
秦の丞相として始皇帝に仕え法治を推し進めた彼はというのだ、この話は史記でも有名な話である。
「趙高と結託してな」
「それで王朝を専断したな」
「そうしたが」
「その趙高に陥れられてな」
「鞭打たれてな」
冤罪を被せられてだ。
「踵も鼻も切られて」
「最後は処刑されたな」
「腰斬でな」
古代中国では斬首だけでなくこちらの処刑もあったのだ。
「文字通りな」
「腰を真っ二つにされたな」
「斧で何度も切られてな」
「相当痛いな」
「十星連合でもしてるやろ」
施は中里に自分達の勢力のことも話した。
「重罪人にな」
「処刑の一つでな」
「それでな」
それでというのだ。
「苦しめて処刑させてるが」
「李斯さんはその腰斬に処されてな」
「苦しんで死んだな」
「しかもや」
中里はその顔を険しくさせて言った。
「一族郎党やったな」
「処刑されたわ」
「そやったな」
「趙高は始皇帝の末っ子胡亥を皇帝にした」
その際胡亥も李斯も巧みに唆したのだ。
「そして胡亥さん以外の始皇帝の子供をや」
「殺してな」
「李斯さんとな」
「その一族もやったな」
「皆殺しにした、韓非さんを陥れて」
そうしてというのだ。
「因果応報でな」
「処刑されたが」
「悪いものも呼んだ」
「その悪いもんがやな」
「趙高や」
その彼だというのだ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ