第百三十七話 閉会式が終わってその六
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「わかっていて使ってもらう為にね」
「グラビアのお仕事してるわね」
「それを承知で」
「そうしたお仕事するわね」
「どんな人にどんな想像されてるか」
「考えると気持ち悪いけれど」
「そんなこと考えてもね」
例えそうしてもというのだ。
「仕方ないし」
「止められないし」
「想像してそうしたことすることはね」
「まして犯罪じゃないし」
「もうそのことが嫌なら」
それならというと。
「草花みたいに生きるしかないわ」
「目立たずね」
「お洒落もしないでプールや海でもね」
「遊ばないことね」
「そうよ、運動会の時も」
今終わったイベントでもというのだ。
「上下ジャージとかね」
「地味で露出のないファッションで通すのね」
「そうすることよ」
「お肌出さないことね」
「ムスリムの娘達でもね」
理虹は苦笑いで話した。
「この学校じゃ相当戒律厳しいお家か国じゃないとね」
「してないわね」
「大体アラブだと厳しいけれど」
この地域の家や国ではというのだ。
「東南アジアとかアフリカじゃね」
「そんなによね」
「そこはそれぞれで。私達は」
「そうされることが嫌なら」
「お洒落も出来ないわ」
「ミニスカートや半ズボンもなしね」
「そういうファッションが注目されるから」
そうした目的にというのだ。
「それでもっと言えば使われるとか考えない」
「犯罪じゃないし」
「最初からね、それがね」
まさにというのだ。
「一番いいでしょ」
「最初から」
「そう、もうね」
「そういうことね」
「鳴海っちでもね」
「やっぱり鳴海っち私でそうしてるのかしら」
「考えないことよ」
それが一番だとだ、理虹はかな恵に笑って話した。他の三人も笑ってそれが一番だと話した。そしてその夜だ。
かな恵は鳴海の家で打ち上げを楽しんでいたが酒を飲んでインスタントラーメンやスナック菓子を食べつつ彼に尋ねた。
「あの、鳴海っちも私に興味あるわよね」
「あるから付き合ってるんだろ」
鳴海は何を今さらという顔で言葉を返した。
「そうだろ」
「そうよね」
「ああ、いきなり何言うんだ」
「ちょっと閉会式の後一華ちゃん達とお話したのよ」
「興味あるかどうかか」
「それで聞いたけれど」
「何でもないよな、そうだよな」
二人は今鳴海の家のリビングで飲んでいる、だが。
鳴海は自分の部屋の方をちらりと見てだ、それからかな恵に言った。
「別にな」
「別に?」
「いや、風呂入ったしな」
「お風呂がどうしたのよ」
「何でもないよ、ただな」
鳴海は必死の顔で自分のコップの中の酒を飲んでから言った。
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