邪龍復活
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残りの蛇の頭が、一斉に可奈美へそれぞれの光線を放つ。
七色のそれは、生身となった可奈美を容赦なく消滅させようと。
「させません!」
それは、えりかの声。
跳び上がったえりかは、そのまま手を振るう。
彼女の手の動きに合わせて、六つの機械が回転しながら蛇たちを切り裂く。
少しだけ緩んだヤマタノオロチの拘束。だが、それでも負傷した可奈美は動けない。
「君……ちょっと邪魔かな?」
グレムリンは指を振る。
すると、えりかの背後に回り込んできたヤマタノオロチが、彼女の盾を弾き飛ばす。
「ええっ!?」
えりかが驚いている間にも、すぐさま彼女を別の首が捕らえる。可奈美と同様、えりかはヤマタノオロチの蛇により締め上げられていく。
「えりかちゃん!」
「うう……っ!」
落ちていくのと同時に消滅していくえりかのセラフ。さらにヤマタノオロチにより、えりかの体は徐々に悲鳴を上げていく。
「さあ、ハルト君。これで邪魔も入らず、君と二人っきりだ」
残り六本の首が、ウィザードを見据える。うち一つの口が、ウィザードへ大きな口を開けた。
「……っ!」
「彼女たちの前で、君が消えるのを見届けさせてもらおうかな」
「させるかっ!」
『チョーイイネ スペシャル サイコー』
発動された、ウィザードの必殺技、その一つ。
胸にドラゴンの頭部が装着されたそれ。蛇の頭部と同じように大きな口を開き、その口内から炎が吐き出される。
ドラゴンブレス。
フレイムドラゴンが持つ新たな必殺技であるそれは、蛇の炎とぶつかり合う。
「だああああああっ!」
「はああああああっ!」
ドラゴンと蛇。
二つの炎は拮抗し合い、夜の見滝原が赤く染まっていく。炎は竜巻となり、高く突き上がっていく。
「だああああああああああああああああああああああッ!」
ウィザードはさらにドラゴスカルに魔力を込める。
すると、炎の勢いが増す。それは、ヤマタノオロチの炎を上回り、だんだんとグレムリンへ近づいていく。
「すごいね……これが今の魔力か……でも」
グレムリンは少し顔を下げる。
すると残り五本の首が口を開く。
五属性の力が、炎に追加。すると、ウィザードのドラゴブレスを上回る炎となる。
「っ!」
「こっちには首がまだ六本。君の負けだよ」
ドラゴブレスを飲み込みかねない量の炎は、津波のようにウィザードの前に覆いかぶさろうとしてくる。単純計算でウィザードの六倍となった炎は、そのままウィザードを飲み込んだ。
「ぐっ……うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」
だがウィザードは、全身に炎の魔力を滾らせる。炎の塊を内側から破裂させ、ウィザードを
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