暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/WizarDragonknight
邪龍復活
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話

 残りの蛇の頭が、一斉に可奈美へそれぞれの光線を放つ。
 七色のそれは、生身となった可奈美を容赦なく消滅させようと。

「させません!」

 それは、えりかの声。
 跳び上がったえりかは、そのまま手を振るう。
 彼女の手の動きに合わせて、六つの機械が回転しながら蛇たちを切り裂く。
 少しだけ緩んだヤマタノオロチの拘束。だが、それでも負傷した可奈美は動けない。

「君……ちょっと邪魔かな?」

 グレムリンは指を振る。
 すると、えりかの背後に回り込んできたヤマタノオロチが、彼女の盾を弾き飛ばす。

「ええっ!?」

 えりかが驚いている間にも、すぐさま彼女を別の首が捕らえる。可奈美と同様、えりかはヤマタノオロチの蛇により締め上げられていく。

「えりかちゃん!」
「うう……っ!」

 落ちていくのと同時に消滅していくえりかのセラフ。さらにヤマタノオロチにより、えりかの体は徐々に悲鳴を上げていく。

「さあ、ハルト君。これで邪魔も入らず、君と二人っきりだ」

 残り六本の首が、ウィザードを見据える。うち一つの口が、ウィザードへ大きな口を開けた。

「……っ!」
「彼女たちの前で、君が消えるのを見届けさせてもらおうかな」
「させるかっ!」
『チョーイイネ スペシャル サイコー』

 発動された、ウィザードの必殺技、その一つ。
 胸にドラゴンの頭部が装着されたそれ。蛇の頭部と同じように大きな口を開き、その口内から炎が吐き出される。
 ドラゴンブレス。
 フレイムドラゴンが持つ新たな必殺技であるそれは、蛇の炎とぶつかり合う。

「だああああああっ!」
「はああああああっ!」

 ドラゴンと蛇。
 二つの炎は拮抗し合い、夜の見滝原が赤く染まっていく。炎は竜巻となり、高く突き上がっていく。

「だああああああああああああああああああああああッ!」

 ウィザードはさらにドラゴスカルに魔力を込める。
 すると、炎の勢いが増す。それは、ヤマタノオロチの炎を上回り、だんだんとグレムリンへ近づいていく。

「すごいね……これが今の魔力か……でも」

 グレムリンは少し顔を下げる。
 すると残り五本の首が口を開く。
 五属性の力が、炎に追加。すると、ウィザードのドラゴブレスを上回る炎となる。

「っ!」
「こっちには首がまだ六本。君の負けだよ」

 ドラゴブレスを飲み込みかねない量の炎は、津波のようにウィザードの前に覆いかぶさろうとしてくる。単純計算でウィザードの六倍となった炎は、そのままウィザードを飲み込んだ。

「ぐっ……うおおおおおおおおおおおおおおおおおっ!」

 だがウィザードは、全身に炎の魔力を滾らせる。炎の塊を内側から破裂させ、ウィザードを
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ