魔法少女育成計画thread people
【おいおいおい】魔法の世界では常識に囚われてはいけないのですね!【アイツ消えたわ】
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無しの魔法少女
はい?今度はいったいなんなの……
589:名無しの魔法少女
ひょっとして救出班か?
590:名無しの魔法少女
もうこれ以上はお腹いっぱいなんだが……
591:12
救出班?いったい何があったんだ?
592:探知魔法(お迎えつき)
大変なんだ……原作読了済みが
原作読了済みが倒れてさっきから起きないんだ!!
◇アイアイスキミー――[探知魔法(お迎えつき)]相田翔
原作読了済みがベンチで倒れて数分が経った。ベンチで横になっている原作読了済みは依然として目を覚まさない。
メーDが注射器の満たされた液体を変え――今までグリーン色だった液体がショッキングピンクへと変わった――それを横たえた原作読了済みへ刺したりしているが、一向に状況が変化しない。
やっとのことでジルへ連絡が出来たところで、こちらへ来るのにいったいどれほど時間がかかるのか。翔はおぼつかない思考を纏めるためにあちらこちらへ足を動かしていた。
こういう時に何もできない自身が恨めしい。専門分野が違うのだからと言えばそれまでなのだが、だからこそ余計に自身の無力感を感じさせられる。
どうしてこうなったのか。先ほどまで原作読了済みの目を治して喜んでいたのではないのか。それなのにどうしてこんな事になったのか。この世に神様がいたとすれば、明らかに神様は翔たちの事を嫌っている。そうに違いない。じゃなければ、この世は余りにも不条理ではないか。
そこまで考えてから、翔は頭を振り払った。考えれば考えるほどネガティブな事を考えてしまう。翔の悪い癖だ。しかし、考える事以外で翔には出来ることがない。ならどうすればいいのか。
「スキミーさん。お待たせしました」
「あっ……ジルさん」
声をかけられて振り返れば、そこにはジルがいた。
ジルはスキミーに一声かけるとすぐに原作読了済みの元へと向かい、何とか原作読了済みを目覚めさせようと奮闘するメーDをどかした。そうしてから、ジルは原作読了済みの腕を取ると、その付け根に人差し指と中指を押し当てた。脈をとっているのか。しばらくして、ジルはその顔に安堵の表情を浮かべたが、すぐに顔を険しくさせた。
「脈は正常です。一先ずは容態が急変することはないはず。最も、私は医者じゃないから断定はできませんが」
「いったい……何が起きたんですか。どうして、そんな、こんなことが……」
思った疑問が真っ先に翔の口から飛び出した。メーDも翔の言葉に賛同するように首を縦に何度も振っている。
翔の考えでは、原作読了済みが急に倒れた原因は先ほど現れた魔法少女『キーク』だと考えている。あまりにもタイミングがタイミングだ。ここで別の要因が原因だと言われてもあまり信じられない。
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