魔法少女育成計画thread people
【私は魔法少女だ】待て、話せば分かる…?【などと供述しており】
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ら朝を告げるチャイムが鳴らされる。
あまり人の目に触れるのは好ましくない。今は公園内には人はいないため、素早い動きが求められる。
掲示板では、合流予定の『治癒魔法を使える魔法少女』が現在の地点を報告しながら向かっている。他の転移者たちもそれぞれで動いている。こちらも出来る限りの事はやらなくてはいけない。
「スキミーさん、少しの間ここで待っていてもらえますか?」
「えっ。ジルさんどっか行くんすか?」
「ちょっとこの辺りで情報を集めてきます。もし私が戻るより先に救護班が来た場合は原作読了済みの治療を優先してください」
ジルは原作読了済みを看護しているスキミーに一方的に言葉を告げると、踵を返してその場を離れた。
後ろから聞こえてくるスキミーの非難の声を無視する形で強行したのに軽い罪悪感を抱くが、今のジルにはどうしても知りたいことがあった。
ここはジルたちが元居た世界と限りなく似ている世界だ。転移された日付は同じで、ジルたちの日本とこちらの日本の歴史も同じ。日本語も使用されていて、相違点と言えるものは『魔法少女』に関することだけ。
ジルはそこまでの情報を得たうえで、ある疑問を持った。
それは、この世界には、この世界で暮らしている自分たちがいるのではないか、という事だ。
もしかすれば、この世界には二人の同一人物が存在しているという事になる。そうなれば、こちらもある程度は動きやすくなるかもしれない。
それ以外にも、可能であれば協力を仰ぐという手も――
「……できればいいのだが」
怪我人の治療が出来ないジルとはいえ、何も情報を集めることも出来ないわけではない。それぞれがそれぞれの得意分野を生かして貢献した方が一番効率的だ。
期待はできないが、行ってみる価値はある。ジルは変身を解除して、公園を出た。
◇アイアイスキミー――相田翔
突然、今まで先導をしていたジルが公園を出て行った。
こんな時に別行動で何をするのか、いったい何処に行くのかと困惑の声をかけたが、ジルはそんな翔の言葉も意に帰さず、足早に公園を去っていった。
こういった時どうすればいいのか。翔には皆目見当もつかなかった。ジルを呼び戻そうか。それとも、言われた通りここで待っていようか。怪我した女子高生を放っておくという事も出来ない。そもそもここにいて大丈夫なのか。人に見られて通報はされないのだろうか。20代の男と怪我している女子高生が二人っきりでいる。十分通報される理由になるだろう。
「やっぱりここじゃ人目に付くよな。でも勝手に動かしてジルさんに怒られたりしないか。一応、草……生垣だっけ。結構高いからベンチで寝ているこの子は外から見られないけど。でもなぁ……」
いったいいつになったら治癒魔法が使える魔法少女―
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