魔法少女育成計画thread people
【この】嘘だと言ってよ、魔法少女…【不運どもめ!】
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何なのですか。
ある時、自分のしていることに疑問を持った。本当に自分は正義を持って警察官の使命を全うしているのか、怖くなったのだ。
ただ、親が引いたレールの上を歩いて進んだだけで本当は警察官になりたくなかったのではないかと。
不満があるわけではない。警察官になり、多くの事を学んだ。多くの人々を助けた。そして、彼らは自分に感謝を述べた。順風満帆の人生。しかし、自分の正義を自分に問いかけてみると、その言葉が一向に思いつかない。
単純に善で動いているのか。打算が働いているのか。感謝されることに酔っているのか。人の苦しむ姿が見たくないのか。
どれかを答えとしてみても、それがしっくり来ることはなかった。考えても分からない。答えが出ない。
遥は、自分がただの心なしで、何時しか人形のようにただ動いていたのではないかと思い、それこそが遥が抱いた恐怖の正体だった。
二十五歳にもなって自分の事が分からない。周りの自分よりも大人な人たちに聞かれれば大笑いの種でしかないだろう。
自分が分からないというのが、ここまで恐ろしいということを遥は初めて知った。
だからこそ、遥はこの恐怖を打ち消すための答えを祖父に求めた。
正義とはいったい何なのか。けれど、そんなことで自分が悩んでいるのかと祖父に笑われるのも怖かった。実際に祖父が人の悩みを笑うなんてことは決してあり得ないのだが、それでも一度心配してしまったことは最後まで心配になってしまうのだ。
祖父が遥の言葉を聞いて、祖父が遥の瞳を覗き込むように顔を向けた。
そんな幼稚な考えすらも祖父に見透かされている気がしてならなかった。
遥は祖父が何を考えているのか一切分からない。なのに、祖父が遥の事を一方的に知っているような感覚に陥るのは、どこか恐ろしく感じるとともに、酷く安心もしたのを覚えている。
祖父は言った。
人にはそれぞれの正義がある。それは、初めのうちは誰も気付くことのない小さなものだが、時間が経てば、いずれは否が応でも分かってしまう、と。
今でも自分の正義に未だ答えは無いのだが、勤務中に頭に変な声が聞こえたと思えば、突然の集団拉致に巻き込まれたという明らかな異常事態の発生に加え、頭に『掲示板』が生えるという軽い悪夢のような状況は、かえって桜田遥の心を落ち着かせた。
警官たるもの、常に冷静に。国民の盾となる警官が狼狽えれば、国民にもそれが広がってしまう。祖父の小言の一つは、いざという時に役に立つ。
それに、掲示板で多くの国民が動揺している中で、警官が狼狽えるなどあってはならないのだ。
まずは現場の状況と、情報収集。
周りを確認する。住宅地。電柱が等間隔に刺さり、家々がある。どれも明かりはつけていない。
空は暗く、明
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