魔法少女育成計画thread people
【奇跡】最速で、最短で、まっすぐに、一直線にッ!【光】
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のコスチュームを掠った。一瞬しか見えなかったが、この状況で使われる投擲武器といえば、一つしかない。
――くっそ! 無抵抗の魔法少女に苦無投げるか普通っ!!
リップルのコスチュームに付属している武器の一つ、苦無だ。そしてそれは、リップルの魔法に憎らしい程に相性が良かった。
『投げれば百発百中』の魔法。完璧なエイム力とホーミング力にものを言わせた魔法だ。
魔法少女が生み出した武器は、魔法少女の体を傷つけることが出来る。当然、その苦無は光を死に至らしめることも出来る。
先ほどの苦無は牽制か。その気になればその場で光を串刺しにすることが出来るはずなのに、苦無は光のコスチュームを破かせることしかしていない。
舐められている。追いつめられている光には、そう捉えることしか出来なかった。
遠くで何かが見えた。
光が今走っている路地裏の道は佳境に突入している。ここから見えるのは川。河川敷の川だ。
ジメジメとした陰鬱な路地裏を抜ける。次に見えたのは橋だ。向こう側は大小さまざまな家々が明かりを付けずに点在している。住宅街だ。
光が射した。月光だ。月光の光が光の体を包み込んだ。
人の目もない街の外れ。人通りの多い商業地から抜けて、ここに出られたのは偶然だった。同時に、光にとっては幸運でもあった。そして、後ろの忍者にとっては良くないことらしかった。
忍者の気配が強まる。先ほどよりも早く足音が迫ってきている。刃物――苦無が互いにぶつかる音が鳴る。
一瞬だった。
光の後方から苦無が風を切る音が迫ってくる。そして、それに合わせて、 前方から銃声が聞こえてきた 。
頭上を小さな何かがいくつか飛んできて、それが光を通り越すと、後ろで何かを弾いたような音が聞こえた。
河川敷を超えた先、住宅街のある家の塀に、扉があった。
ファンシーなハートマークと星マークで彩られたカラフルな扉。不規則に見える模様は、実際には模様そのものが動いていて一種のホログラムを投影させているのかのように、そこに存在していた。
扉の前には、二人の少女がたたずんでいた。
一人は扉と同じハートマークと星マークをふんだんに盛られた小学高学年の少女、もう一人は黒い警察服を着て、数えるのも億劫になるほどの弾帯ベルトを下げた中学生程の少女だった。
警察服の少女は、その手に拳銃を握り、それの先をこちらに向けていた。
「光っ!!!こっちだぁああ!!!!!」
光の名前を呼ばれて、咄嗟に進行方向を警察服の少女へ変えて走った。
少女は光を呼びながらも、拳銃から銃弾を放った。軌道修正をした影響で、警察服の少女、光、忍者の位置関係が垂直になってしまったが、弾は光の肩越しに飛び越え、また後ろで
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