魔法少女育成計画thread people
【奇跡】最速で、最短で、まっすぐに、一直線にッ!【光】
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足の痺れ程度にまで軽減させたのだから、光は己の屈強さに感謝をしなければいけない。
だが、リスクの方が圧倒的に高い現状と元の要因を考えた結果、それは光にとって全くの不合理だろう。
屋上から飛び降りて路地裏の暗闇へと身を投じると、光は間髪入れずに走った。
土地勘のない場所をただ無我夢中で走る。さっきまで、教室で怠惰を貪っていた状況から一変、突然襲ってきた多くの困難。転移されてからどのぐらいの時間が経ったか分からないが、動かないで死ぬぐらいなら、動いて生きる方が光には合っている。
だからこそ、光は走った。夜の路地裏という劣悪で明かりが指さない暗闇を、魔法少女の目と足で藻掻き続けた。
後ろから聞こえてくる足音を魔法少女の耳で確認する。足音は一つだ。
走り方で誰が追ってきているか分かればいいのだが、そんな技術は光にはない。
後ろを見て確認しようにも、そんな余裕なんて1ミクロもない。
そして、別で動いていると思われる魔法少女が今どこにいるかも、光には知る術がなかった。
ないない尽くしで嫌になる。走りながら通りかかった薄汚れたポリバケツを後方へ倒したり、曲がり角があればすぐに曲がって相手の視界から逃れるようにも動く。
掲示板にも、可能な限り助けを求めた。だが、今の光にはいちいち反応を確認する余裕もない上、庇護欲を掻き立てるために猫を被ることも出来ないでいる。
後ろから、まだ足音が聞こえてくる。
一応、策が無いわけではなかった。
光は魔法少女になった。そして、同時に光は、光だけの魔法を手に入れた。
だが、それを使うにはあまりにも状況が味方をしてくれない。
忍者から逃げるにしても、建物の屋上を利用して遠くへ逃げても、忍者の魔法の都合上、どうしても悪手にしかならない。
路上に逃げようとすれば、車通りの多いそこで必死の逃走劇をすれば、嫌でも人々の目に止まってしまう。
必然的に光が逃げ込める場所は、入り組んで人目に触れない路地裏しかなかった。しかし、そこでは明かりは射さず暗闇しか存在していない。
光の魔法は、 『光』 が無ければ使うことが出来ない。
だからと言って、路上に飛び出し、人目に見られるのも憚られる。魔法少女は存在を知られてはいけないのは原則だが、犯■者が存在を知られてしまうのも、■罪者側からしたら良いわけがない。
足音が、近づいてきている。
掲示板が騒がしくなった。光の救助隊――一人しかいないが――が結成された。救助作戦の遂行には、光の名前が不可欠とのこと。
情報が次から次へと流れ込み、光は考えを放棄して反射で書いた。あとは、救助をされるまで、逃げるのみだ。
ヒュンッ
何かが、光
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