暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第213話:花咲く前夜
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ない。立ち上がった装者達は、周囲が地雷原になっていると知ると最初の爆心地へと集まろうとした。なるほどそこには確実に地雷が無い。

「辺り一帯地雷原なら……」
「一度爆発したところには、もう地雷は埋まってないのデス!」

 颯人に抱えられている奏を除く装者が全員最初に地雷が炸裂した地点に集合した。それを見て、真っ先に声を上げたのは颯人であった。

「待て、罠だッ!」
「チィッ!」
「奏ッ!?」

 最初に爆発したのが地雷だと分かった時点で、颯人は敵の目的がこちらの動きを制限する事だと気付いた。こちらは地雷が何処にどう埋まっているのか分からないのだから、安全策を取る為には確実に地雷が存在しないと思われる場所を中心に動くしかない。だがそれは同時に、敵にこちらの動きを読まれる事を意味する。何をするつもりなのかは分からないが、それでも動きを読まれるのは得策ではないと颯人が響達を引き留めようとするがそれと同時に奏が彼女達の元へと向かっていった。

「颯人、インフィニティー!」
「! 分かった!」

 奏はウィザードギアブレイブになって、何が起きても仲間達を守れるようにする為に彼女達の方へと近付いて行ったのだ。その意図に気付いた颯人がインフィニティースタイルになろうとしたその時、それまで息を潜めていたのか突如物陰から飛び出したオーガが彼を奏達から引き剥がした。

「ハァァッ!」
「ぐっ!? お前……!」
「颯人ッ!」

 オーガにより颯人と奏が引き離される。一足先に響達の元へと辿り着いていた奏が慌てて引き返すか迷った次の瞬間、何時の間にか彼女達を三方から囲んでいたヴァネッサ、ミラアルク、エルザ達が錬金術を発動し上空からルーンの様な文字の刻まれたキューブを次々と落下させてきた。

「掛ったであります!」
「いっくゼー!」

 次々と降り注ぐキューブは、不思議な事に彼女達を直接上から押し潰すようには落下せず飽く迄も彼女達を囲む様に降り注いだ。
 恐らくはこれで生き埋めにでもするつもりなのかと思ったクリスは、そうはさせじとスカートアーマーから無数のマイクロミサイルを発射して降り注ぐキューブを破壊しようとした。

「させるかよぉッ!」
[MEGA DETH PARTY]

 ミサイルが次々と妖しい青色に光るキューブに命中する。だが炎と煙が消えると、そこにあったのは傷一つないキューブの姿であった。装者の中でも随一の火力を誇るイチイバルの攻撃を受けて傷一つ付かないキューブに、翼も思わず目を見開く。

「馬鹿なッ!? 雪音の火力で砕けぬとはッ!」

「そう、あれかし……」

 慄く装者達が次々と降り注ぐキューブの山へと消えていく。それを見て彼女達を助けに向かおうとする颯人であったが、オーガはそれを許さず彼の前
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