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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第213話:花咲く前夜
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 対策会議から数分後、颯人と奏を始めとした装者7人は、マリアがヴァネッサに仕掛けた発信機の信号が発生している地点に向けヘリで移動していた。
 今回どうこうする魔法使いは颯人1人。残りの2人は後詰として本部に待機し、何か起きた時の為に準備していた。

 まだ夜の帳が降りている空を、2機のヘリがライトで地上を照らしながら飛行している。向かう先は人里離れた山奥。解体を待つ廃車置き場にほど近い岩肌剥き出しの山の中に向かっていた。
 程無くして、ヘリのライトがヴァネッサ達3人の姿を確認した。

「迎え撃つとは殊勝なッ!」
「行きますッ!」
「よっと!」

 奏を先頭に次々と装者達がヘリから飛び降り、颯人は最後にヘリの扉の縁に足を掛けながら周囲を見渡した。あちらさんが迎え撃つ準備を整えているのならば、既に発信機は見つかったと言う事。であるならば、颯人達が来ることを見越して魔法使いかファントムが待ち伏せている事を警戒したのである。
 ざっと見渡した限りでは、あの3人以外の人影は見当たらない。だが颯人の中のドラゴンが警告している。敵は近くに居ると言う事を。

 嫌な予感を感じつつも、颯人は溜め息を飲み込み指輪を装着しながら自身もヘリから飛び降りた。

「変身ッ!」
〈フレイム、プリーズ。ヒー、ヒー、ヒーヒーヒー!〉

 飛び降りながらウィザードに変身した颯人が地上に降り立とうとした正にその時、先にギアを纏って着地した奏達の姿が爆炎の中に消えた。

「「「「「「「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」」」」」」」
「奏ッ!?」

 遅れて着地しながら、颯人は急いで奏の元へと向かい地雷の爆発で倒れた奏を抱き起した。その様子を高い所から眺めながらエルザが呟く。

「……敢えてこちらの姿を晒す事で、降下地点を限定させるであります。後はそこを中心に、地雷原とするだけで……」
「他愛無いゼ!」

 彼女達は自分達が発信機で居場所を知られた時点で、最初から迎え撃つ事を前提に行動していた。元より彼女達はアジトを失いもう後が無い。ジェネシスは自分達の拠点の存在を彼女達に知らせていなかったのだ。逃げ場がない以上、戦うしか道は無い。
 幸いな事に全血製剤が充分な量ある上に、今回は3人が揃っている。であるならば、やりようは幾らでもあった。

 先手を打たれた事に颯人は舌打ちした。今回は敵の魔法使いを警戒しすぎた。これまでの戦いで、あの3人が大した事をしてこなかった事もあって正直油断していたのだ。彼女達は個々の能力自体は大した事は無いかもしれない。だがそれを差し引いても、こちらを翻弄するだけの狡猾さはしっかり持ち合わせていたのだ。

 それでも流石のシンフォギアと言うべきか。ダメージ自体は小さくないが、それでも動けなくなるほどでは
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